日本で初めてBLが実写化されたのが、'06年の『BOYS LOVE』という作品。同作の監督を務めた寺内康太郎氏は、

「普通の恋愛ものと違って、“普通ではない物語”が展開されているというのはBLにはあると思います。人間ドラマとしても設定のハードルが高いですし、予告編だけ見ても話を予測しづらいというのはミステリアスだと思います。そこの未知数の部分が、“見ないとわからない”“期待できる”という大きな魅力のひとつだと思いますね」

 しかも同作には、今や日本有数の大ブレイク俳優・斎藤工が出演していたというから驚き。当時の現場の様子について、こんなエピソードが。

「男からしても色気の天才だと思いますね。そのあとも何本か出ていらっしゃいますので、もはやボーイズラブの鉄板ですよね(笑)。現場でも“いい身体しているね”と言われてました」(寺内監督・以下同)

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 斎藤の演技力のみならず、そのフェロモンを大絶賛。では監督はどういった目線で撮影をし、観客に届けようと考えていたのか? マンガやアニメとは異なる、実写版BL視聴ポイントを尋ねると、

「40~50代の女性というのは、何にせよ“目が鋭く”いらっしゃるので、BLを演じている彼たちの本当の素の部分を見抜けるんだと思いますね。BLを演じるキャストのなかで、本当に男性が好きな人はいないと思うので」

 ということで、

「男同士の恋愛を演じる彼らの中にも戸惑っている部分、素の部分がにじみ出るじゃないですか。その可愛げを愛してあげると、その子の努力や人間性もかわいく見えてくると思うんですよね。単純に肉体的な部分やストーリーだけでなく、はじめは好奇心でもいいので、演じている役者そのものを観察してほしいと思います。役とキャストをあわせて好きになるのがオススメの楽しみ方ですね

 なんともマニアックというか奥深いのだ。想像する人の数だけBLはある。あなたもあのイケメンとこのイケメンを頭の中で……。

 まずは、福山と菅田の続きを妄想してみては!?