1月期の連続ドラマの中から3人の舌鋒がまず向いたのは、人気脚本家・遊川和彦が演出も手がける『ハケン占い師 アタル』(テレビ朝日系)。杉咲花扮する派遣社員のアタルが相手の隠れた内面が見える特殊能力を生かして、同僚の悩みを解決するお仕事コメディー。

上田倫子(以下、上田)最初の10分で悩みや抱えている問題を予感させ、見やすい作り。

折原みと(以下、折原)遊川さんの脚本は当たりはずれあるけど、このドラマは面白い。志尊淳が女装して出て来る場面では「えっ、また」って思ったけど(笑)。もう違うキャラをやってほしいな。

なかはら・ももた(以下、なかはら)花ちゃんが写メを自撮りするときに見せる笑顔が素敵。前髪を切って超可愛くなった。占いをしているときの高飛車な裏の顔も、あの笑顔があるから許せちゃう。

折原 アタルは占い師というより企業カウンセラーだよね。

左から常盤貴子、北川景子、深田恭子
左から常盤貴子、北川景子、深田恭子

上田 同じくお仕事ドラマの『家売るオンナの逆襲』(日本テレビ系)は去年、金曜ドラマ『大恋愛』(TBS系)が話題になった、大石静の脚本。期待して見たんだけど、主人公を演じる北川景子のロボットみたいなキャラが相変わらずで、ちょっと……。

折原 あれはあれでキャラが立っていて私は好き。

上田 煮え切らないキャラの工藤阿須加も残念。個人的には素敵な工藤君が見たいのに。

なかはら 前作のこのドラマからイモトアヤコが女優として本格的にデビューしたけど、演技うまいと思う。

折原 『下町ロケット』も、とってもよかったよね。

上田なかはら そうそう!

なかはら 第2話のゲストに出演した泉ピン子さんみたいな女優を目指してほしいな。

折原 ピン子さんも期待しているみたい。頑張ってほしいね。

オヤジのワチャワチャは『おっさんずラブ』の影響!?

─伝説の不動産屋・三軒家万智(北川)が家を売りまくるヒットドラマの続編だが、今回から登場したフリーランスの不動産営業マンを演じる松田翔太については?

折原 『おっさんずラブ』(テレビ朝日系)がヒットしてから、BL(ボーイズ・ラブ)的な展開をナチュラルに入れてくるのが気になる。今回の松田と千葉雄大の関係も『おっさんずラブ』が流行っているから入れとけみたいな安易な感じがする。

左から松田翔太、千葉雄大、イモトアヤコ
左から松田翔太、千葉雄大、イモトアヤコ

上田 そうだね。フェンシングの“差しつ差されつ”の場面は、ふたりの関係のメタファー(たとえ)なのかな。

なかはら あと『メゾン・ド・ポリス』(TBS系)みたいなおじさんのワチャワチャが増えたのも『おっさんずラブ』の影響だよね。

折原 ミエミエなのは、ちょっと引くよね。

 常盤貴子が『ビューティフルライフ』以来19年ぶりに日曜劇場に帰って来た『グッドワイフ』(TBS系)も注目を集めている。前期の『SUITS/スーツ』(フジテレビ系)に続く米ドラマ原作のリーガルもの。