倉本聰脚本、石坂浩二、浅丘ルリ子、加賀まりこら往年のスターが競演し、好評だった昼の帯ドラ『やすらぎの郷』の続編、『やすらぎの刻~道』(テレビ朝日系・月曜~金曜昼12時30分~)。新たなメンバーが加わった人間模様と、劇中劇『道』の2つのドラマで描く誕生秘話、撮影舞台裏とは―。
7人の新たな入居者
2つのドラマが展開
2017年4月から半年間放送され、好評を博した倉本聰脚本『やすらぎの郷』の続編で、1年間放送する。
芸能の世界に貢献した人しか入居できない特別な老人ホーム『やすらぎの郷』を舞台に、石坂浩二扮する主人公の脚本家・菊村栄が、そこで暮らす往年のスターたちのさまざまな騒動に巻き込まれ、人間模様を見つめてきた。
出演は浅丘ルリ子、加賀まりこ、上條恒彦、藤竜也、風吹ジュン、ミッキー・カーチス、山本圭ら前作のメンバーに加え、いしだあゆみ、大空眞弓、丘みつ子、笹野高史、ジェリー藤尾、松原智恵子、水野久美ら7人が新入居者として登場する。
「倉本先生はそれぞれのキャラクターをあて書きするので、役者さんのプライベートと重なるエピソードが登場することがしばしばあります。
ただ、菊村に関しては別。菊村の行動やセリフには石坂さんのプライベートよりむしろ、倉本先生ご自身のお気持ちが強く表れていると思います」
と、中込卓也プロデューサー。
続編は“やすらぎの郷”の人間ドラマに加え、菊村が執筆中のシナリオ『道』が映像化されていき、2つの物語が展開されていく。
「前作終了後から、ぜひ続編をやりたいと思っていました。でも、倉本先生は“(『やすらぎの郷』は)書ききった”というお気持ちが強かった。そのためテレビ朝日開局60周年記念帯ドラマ劇場には、先生のかつての戯曲がベースの物語の企画を進めていました。
ところが、その物語だけでは1年間放送のドラマにするボリュームがないと先生がおっしゃったので、“それなら、『やすらぎ』の続編の中でやりませんか?”と提案しました。幸い、菊村は脚本家。劇中劇のような形で展開できるのではないか、と思ったんです。
倉本先生は迷っていた様子でしたが、1か月もしないうちに9話までの脚本を完成。“面白い!”と言うと、さらに5話分を見せてくださいました。深い考えなしに提案したのに、先生の手にかかると、劇中劇の“道”が必然性のある作品になりました。
シニアを意識したドラマで、視聴者の方には老人のリアルと、その方たちが若かりし時代の思い出の両方を楽しんでいただけると思います」(中込P、以下同)