“聖地巡礼”ブームは、いまだ衰えを知らない。朝ドラもご多分に漏れず、放送が始まるとご当地には観光客が増えるという。

数年にわたって観光客が殺到

 現在放送中の『なつぞら』の舞台に選ばれた北海道の十勝。このようなブームに合わせ地元では、さっそく『なつぞら応援推進協議会』が立ち上がっていた。

「ヒロイン・なつが育った柴田牧場の場所こそ秘密ですが、市内数か所でパネル展を開催ロケ写真や衣装・小道具の展示をはじめ、お土産も販売。またネットでは牧場巡り、ガーデン巡り、グルメ・スポットを公開するなど、夏に向けておもてなしの準備を進めています」(帯広市役所観光課・柴山英介さん)

 町おこしの視点からみても、朝ドラの影響力は大きい。今回、週刊女性が行った“好きな朝ドラは?”のアンケートで4位に入った『ちゅらさん』('01 年)は、沖縄の観光客減少に歯止めをかけ、再び沖縄ブームを巻き起こすきっかけにもなったという。

『ちゅらさん』のヒロインを好演した国仲涼子
『ちゅらさん』のヒロインを好演した国仲涼子

「小浜島は、朝ドラの舞台になるまでは訪ねる人もまれでしたが、放送開始後、観光客が殺到。そんな状態が3年続きました。西表島を望むロケ地には“ちゅらさんの碑”が今も残っています」(竹富島町役場政策推進課・上地朝奈さん)

 そして“朝ドラのロケ地”として忘れてはならないのが、同アンケートで1位に輝いた『あまちゃん』('13年)や『どんど晴れ』('07年)の舞台となった岩手県。特に『あまちゃん』の舞台となった三陸復興国立公園には今も大勢の観光客が訪れているという。

 そして今年、東日本大震災からの復興の大きな一歩として、釜石~宮古間の復旧区間が全線開通し、3月23日に南リアス線と北リアス線がつながった。

 週刊女性取材班は今回、桜前線とともに日本列島を北上。思い出の『あまちゃん』ロケ地の“今”を徹底取材した。

 東京から東北新幹線で青森県八戸までおよそ3時間、さらにJR八戸線で三陸海岸を下ること2時間、そこは『あまちゃん』の“じぇじぇじぇの国”への玄関口、久慈駅。