「サイトを開いてみたら、ちゃんと織田裕二さんがいて、すっかり信用してしまいました……」(被害に遭った男性、以下同)
いま、佐川急便を装ったサイトを悪用した詐欺が増えているという。
「《お荷物のお届けにあがりましたが不在の為持ち帰りました。下記よりご確認ください》という不在通知がショートメールで届いたんです。それまでもサイトやLINEで配達の時間指定をしていたので、何も疑いを持ちませんでした」
届いたリンク先を開くと、佐川急便のサイトと、まったく同じデザインのサイトで、CMに出演している織田裕二の姿も。サイトには、“荷物追跡サービス”のアプリを設定する詳しい説明があり、手順どおりスマホに入れてしまった。
本物かどうか判別しようとしても……
「アプリを入れたら、僕に届いた文面と同じショートメールが、自分の番号でいろいろな人に勝手に送られたんです」
手口について、ITジャーナリストの三上洋氏は、
「Androidの場合は、荷物追跡サービスを装った不正アプリを入れさせて、被害の拡大を狙ったメールの不正送信以外には、スマホ内の情報を盗み取って不正利用します。iPhoneの場合は偽サイトにログインさせて、IDやパスワードを盗み取って、不正利用するというものです」
この男性のようなメールの不正送信だけでなく、クレジットカード情報を盗み取られ不正に利用されたり、キャリア決済で勝手に買い物をされた人もいるという。
「不正アプリを入れさせる説明以外、サイトはそっくりです。そのため注意喚起としては、本物かどうか判別しようとするのではなく、そういったショートメールは無視すること。
自治体や企業がリンクつきのショートメールを送ることはなく、送ることがあっても本文のみで、リンクを貼ってサイトに飛ばすことはありません」(三上氏)
もしアプリを入れてしまったら?
「スマホを初期化し、すべてのネットサービスのIDやパスワード、クレジットカードやキャッシュカード、また携帯の番号なども、すべて再発行すべきですね」(三上氏)
詐欺サイトを作られてしまった佐川急便に話を聞いてみると、
「集荷や配達に関するお問い合わせを、お客様に対してショートメールで送ることはいっさいしていないので、そういうショートメールが届いた場合は開けずに削除をお願いいたします」
注意すべきは佐川急便を装ったメールだけではない。
「大手銀行やネット銀行を装ったメールも急増中。“不正アクセスされています”などの理由で銀行のサイトと似通った詐欺サイトにアクセスさせ、ログイン情報を盗み取り、不正に送金させるのです」(三上さん)
怪しいショートメールにはくれぐれも気をつけて。