大きな病気をしなくても、ジワジワと家計を圧迫する医療費。とはいえ医療費は一律なのでしかたないと諦めている人も多いようです。しかし、節約できる部分も少なくありません。
そこで、医学博士でジャーナリストの植田美津恵先生に節約ワザをうかがいました。
「診察、手術、検査、入院費、薬代などの医療費は厚生労働省が決めた基本方針に従って、中央社会保険医療協議会が決めています。ご存じの方も多いと思いますが、診療行為はそれぞれ点数が決められていて、1点当たり10円となっています。このように医療報酬は全国一律です。しかし、同じ医療を受ける場合でも、医療機関や時間などによって点数が変わり、入院時の個室代などは病院ごとに設定できるため大きく違ってきます。そのあたりの点数の違いなどを知っておくことが、医療費の無駄を防ぐポイントですね」(植田先生、以下同)
病院によって支払いに大きな差が
例えば、夜間に体調が悪くなり、初診で診察を受ける場合。夜でも診察している診療所で診察を受ければ、治療費以外でかかる費用は初診料と夜間・早朝等加算のみですむ。
しかし、大病院の救急外来などを受けてしまうと大変だ。大病院ではリスクが高い人を優先して治療するために、軽い症状で来院するのを防ごうと、紹介状なしで来院した患者は選定療養費というプラスアルファのお金がとられます。
来院が時間外であれば初診時と時間外とダブルで選定療養費がかかるため、一気に1万4300円も上乗せになる場合も。選定療養費は保険適用されないため、全額支払いの必要があるのです。また、自治体が子どもの医療費を負担している場合でも、選定療養費は自費です。
ただし、本当に急を要するような病気で、そのまま入院になった場合などは、当てはまりません。
万一のために、自治体のホームページで、夜間や休日診療をしている診療所を事前に調べておくといいでしょう。
「診療が時間内でも8時前の受付には早朝加算がつきますので覚えておきましょう」