スキャンダルは怖い。どんな芸能人も、ほとぼりが冷めるのを待ちたいわけだが、どこかのタイミングで復帰しなくてはならない。
そんなとき、紙媒体なら『婦人公論』あたりがよく使われる。芸能人はもとより、STAP細胞騒動の小保方晴子さんもそうだった。瀬戸内寂聴という援軍も頼みつつ、グラビアまで披露していたものだ。
スキャンダルからの復帰にバラエティー番組
テレビにおいて、この『婦人公論』的な存在といえるのが「金スマ」こと『中居正広の金曜日のスマイルたちへ』(TBS系)だ。'16年に「ゲス不倫」で活動を自粛したベッキーも、この番組で復帰した。
彼女自身がこの番組のレギュラーだったというのもあるが、スキャンダル救済MCとしての中居が誰よりも信頼できたからだろう。
たとえば、ローラが父親の不祥事を報じられた際、中居は『笑っていいとも!』(フジテレビ系)でいきなり「元気?」と声をかけ、場を一気になごませたことがある。そんな天才的気配りと進行の能力に、ベッキーは賭けたのだ。
中居は基本的には優しく接しながらも「罪」とか「裏切り」といった言葉を使って不倫発覚以来の曖昧な態度を問いただした。これにより、彼女は、
「1月に行った記者会見はたくさんの間違いがありました。言葉を届けるお仕事をしているにも関わらず、事実と違うことをお伝えしてしまって、本当に深く反省しています」
と、釈明。なんとか、復帰を果たせたわけだ。
とはいえ、この手のシリアス路線には限界もある。中居は冗談をまじえるのも得意だが、多くの視聴者にとって、ベッキーの不倫は笑えるものではなかったからだ。