目次
Page 1
滝沢カレン(30)は物書き泣かせだ。よく、芸人泣かせだともいわれるが、それと同じ意味である。
滝沢カレンにしかない謎のセンス
プロでも思いつかないような表現をするので、芸人は食われがちだし、物書きとしてはいじりにくい。その表現を紹介する以上に、面白い文章が書けない気がしてしまうのだ。
そんなカレンが結婚して、インスタグラムでその報告をした。相手は「建築のお仕事」をしている一般人だというが、一般人ではついていけないようなユニークな表現がいきなり出てくる。
《記憶をほとんどその日に置いてくる私ですが、出会ったときの季節、景色を今でも思い出せます。それは私の見ている景色をいつもより色とりどりにしてくれる人でした》
かと思えば、中盤は犬の話。自分の飼い犬1匹に、相手の飼い犬2匹が加わったそうで、こんな紹介をしている。
《顔の大きい(体も)優しくて、食べ物のことばかり絶対考えていて、でも名前を呼ぶとご飯を食べていたってやってきてくれる海みたいに強くてフワッと近くにいてくれます》
なぜか結婚相手のことより詳しい説明があり、最後はこう締めくくる。
《これからは二人と3匹たちで、さらに楽しい冒険に出発します》
とまあ、カレンワールド全開なわけだが、ここからが筆者の本番だ。はたして、この人はどう論じればいいのか。
もちろん、最大の売りはヘンテコな日本語だろう。『全力!脱力タイムズ』(フジテレビ系)の人気コーナー『THE 美食遺産』では、それが存分に発揮される。料理作りの実況だが、頻繁に噛んだり読み間違えたり、ともすれば失礼なツッコミやたとえも交えながら、彼女にしか不可能な笑いを巻き起こすのだ。