目次
Page 1
ー 大切なのは「絶対に諦めない」こと ー 膀胱がんのステージ別、発症後5年生存率データ
Page 2
ー 平熱が35度台前半、免疫力を高める日々 ー メンタルを整えるために「笑い」を
Page 3
ー 竹原慎二さんの妻・香織さんが取り入れた10のこと

真っ赤に染まる血尿を見たとき、尋常ならざるものを感じました」と当時を振り返るのは、WBA世界チャンピオン竹原慎二(51)さんの妻・香織さんだ。夫が膀胱がんとわかったときにはすでにステージ4。医師からは「最悪の場合は余命1年」と宣告された。

大切なのは「絶対に諦めない」こと

香織さんの「がんノート」。どんなに心配して落ち込んだところでリスクは減らない。書き出すことで客観的になれ、やるべきことが明確に。ノートは心を冷静にしてくれるツールだった
香織さんの「がんノート」。どんなに心配して落ち込んだところでリスクは減らない。書き出すことで客観的になれ、やるべきことが明確に。ノートは心を冷静にしてくれるツールだった

夫は普通の人より運動量が多く、健康には自信を持っていたので『まさか』と頭が真っ白に。けれど悲嘆にくれても仕方がない、今すべきことをしなければ、と冷静に受け止めている自分もいました」(香織さん、以下同)

 結婚25年目。結婚し、2人の子どもにも恵まれ、苦楽を共にしてきた同士の2人。

 香織さんは、宣告後、混乱と不安に押しつぶされそうになりながらも、まずは今起きていること、今後の予定、選択肢など思いつくことをノートに書き出していった。今やるべきことが明確になると思ったのだ。

 医師からは「膀胱全摘が必要」と言われたが、本当にそうなのか……温存治療をしている病院を調べ、その特徴や方針も書き出してすべての病院に電話をした。最終的にはフォースオピニオンまで受け、納得のいく医師と治療法に出合い、転院も決める。

「夫は『もういいよ』と弱気な発言も。でも私は『めげてはいけない、絶対に乗り越えてみせる』と、妻として夫のがんと闘う覚悟を決めていました」

膀胱がんのステージ別、発症後5年生存率データ

ステージ1:91.8%
ステージ2:73.2%
ステージ3:59.0%
ステージ4:17.4%
がんメディカルサービスHPより

 膀胱がんは、目で見てわかるほどの血尿で発覚することがほとんど。痛みを伴わない血尿は初期症状としてみられる症状。竹原さんはがん判明の1年も前からこうした症状があったというが、当初は違った診断が下され、早期発見にはつながらなかった。