目次
Page 1
ー ダイアナ妃との愛憎劇「醜く獰猛な犬」と呼ばれた過去
Page 2
ー 苦難を乗り越え、見え始めた覚悟の真実
Page 3
ー 「国を守る勇敢な女王」となったカミラ王妃の未来

 

 かつて「イギリスで最も嫌われる女性」と呼ばれたカミラ王妃が、ここに来てにわかに存在感を増し、イギリス国内で大きな支持を集めている。

 チャールズ国王キャサリン皇太子妃という王室の主要メンバー二人が相次いで病に倒れ、公務から離脱するなか、76歳という年齢をものともせず、ウィリアム皇太子と共に奮闘する姿がカミラ王妃を「国を守る勇敢な女王」と礼賛されるまでに押し上げた。しかし、これは一朝一夕で得られた評価ではない。

 “自ら開いた地獄の釜から続く道”を沈黙して歩き続けたカミラ王妃の逆転勝利だ。

ダイアナ妃との愛憎劇「醜く獰猛な犬」と呼ばれた過去

 カミラ王妃といえば、誰もが思い浮かべるのはチャールズ皇太子(当時)を巡るダイアナ妃との三角関係だろう。泥沼の不倫劇の末、ダイアナ妃亡き後にチャールズ皇太子と公の場に登場するようになったカミラ夫人(当時)にイギリス国内はもとより、世界中が激しい嫌悪を示した。

 生前のダイアナ妃が語った通り、世間はカミラ夫人を獰猛な犬「ロットワイラー」「一度食いついたら離さない攻撃的な女」と呼んだ。

 1989年2月に行われたカミラ夫人の妹アナベル・エリオットの40歳の誕生日パーティーに乗り込んだダイアナ妃は、夫人にチャールズ皇太子との関係を終わらせるよう迫った。当時の心境をダイアナ妃は後に「結婚生活で最も勇気を振り絞った瞬間」と振り返っている。

 これに対し、カミラ夫人が「世界中の男から愛されているあなたがこれ以上何を望むの?」と一蹴したエピソードはあまりにも有名だ。容姿もダイアナ妃と比べて決して美しいとは言えず、世間の評価も「皇太子をたぶらかす年増の醜い魔性の女」というイメージが強かった。1997年にダイアナ妃がパリで交通事故死したことにより、世間の憎悪は頂点に達し、カミラ夫人は「イギリスで最も嫌われる女性」となった。