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ー NHKが上げる「再放送」の狼煙

 香川照之が性加害を報じられて、まもなく2年がたつ。

「2022年8月に『週刊新潮』が報じたところによると、2019年7月に銀座のクラブに勤務する女性に対して、キスをしたり胸を触ったりしていたそうです。香川さんは、ドラマなどで重宝される“悪役俳優”でしたが、この報道以降テレビから姿を消しました」(スポーツ紙記者、以下同)

 2023年8月には、公式サイトでメッセージを発表した。

「残りの人生を“歌舞伎”と“昆虫”に捧げるという内容でした。その言葉どおり、歌舞伎の舞台に立ち、YouTubeなどで昆虫について取り上げて、その魅力を発信しています」

 一方で、このところドラマ復帰が取り沙汰されており、

「木村拓哉さん主演のTBS系ドラマ『グランメゾン東京』や、同じくTBS系の松本潤さん主演ドラマ『99・9-刑事専門弁護士-』など、人気シリーズの続編に出演する可能性が、一部で報じられたのです」

 テレビに返り咲く機会が注目されているが、気になるのはNHKの対応だ。

「不祥事の発覚以降、NHKには再放送も含めていっさい出演していませんからね……。『昆虫すごいぜ!』という冠番組も人気を集めていましたが、事実上の打ち切りとなっています」

 そんな中、2年に及ぶ香川の“NHK出禁”がついに解除されるという。

「香川さんがメインキャストの一人として出演し、2009年から放送されたスペシャルドラマ『坂の上の雲』の再放送が、9月に予定されているそうです」(芸能プロ関係者)

 これについてNHKに聞くと、「番組編成についての個別のお問い合わせにはお答えしておりません」とのことだった。

NHKが上げる「再放送」の狼煙

 いったい、なぜ再放送での復活なのか。フリーテレビプロデューサーの鎮目博道さんによると、「再放送ならば、視聴者が抵抗感なく受け入れやすい」という。

“作品自体やほかの出演者に罪はない”と感じる視聴者は多く、それらは香川さんの“連帯責任”を負わされている状況ですから。また、再放送であれば、視聴者の反応次第で途中でほかの番組に差し替えることもできなくはないという“逃げ”が打てるんです」(鎮目さん、以下同)

 これを機に本格復帰への道も開かれるのだろうか。

「いまテレビ業界で最も許されないのは、女性に対するハラスメントです。なので、あと数年は歌舞伎と昆虫に関する活動を地道に続けていく必要があるでしょう。民放ドラマへの復帰も、スポンサー企業の考えが大きいですし、現状でそれを急ぐかといわれると疑問が残ります。ただ、今回の再放送で香川さんが視聴者に受け入れられるようであれば、わずかながら復帰への道も開けるかもしれません」

 テレビ業界に“香川すごいぜ!”と言わしめることができるか─。