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自宅の階段で転倒しかけるなど、60歳を過ぎたころから、日常のさまざまな場面で身体の衰えを実感するようになるもの。
冬に増える自宅事故
「個人差はありますが、加齢による筋力や視力、聴力などの低下により、65歳以上のシニア世代は、自宅事故のリスクが高まります。一度のケガで寝たきりになることもあるので、注意が必要です」
と話すのは、防災対策に詳しい、防災介助士インストラクターの冨樫正義さん。厚生労働省のある調査によると、不慮の事故(交通事故、自然災害を除く)での死亡者数は65歳以上が全体の約8割を占め、そのうちの多くの事故が自宅で起きているのだ。
「自宅事故で多いのは『転倒』、『誤嚥(ごえん)』、『入浴事故』の3つです。ただ、これらの事故は、加齢による身体能力の低下以外にも、住まいや習慣の中に原因があることがほとんどなので、50代、60代前半のうちからよくある事例を知ることで対策ができます」
また、寒い冬は自宅事故のリスクが増すという。
「冬場は暖房器具の使用による火災やヤケド、石油ストーブの使用による一酸化炭素中毒も考えられます。一番注意が必要なのは、ヒートショックによる入浴事故。
実は夏場の家の中での熱中症による死亡者数より、浴槽内でのヒートショックでの死亡者数のほうが、16倍近く多いというデータも」