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貧乏飯とまではいわずとも“庶民の味方”だったはずのTKG ※写真はイメージです
《昔は貧乏飯の代名詞だったTKGも今は一杯100円ぐらいいくんやないかな…卵も米も、なんなら電気も高い》
備蓄米の放出目的は「米価の引き下げ」ではない
こんなSNSの投稿に目が留まった。昨年夏から始まった“令和の米騒動”がいまだ終わる気配を見せず、スーパーで売られるコメが5キロ4000~5000円程度。それに加え、今度は“物価の優等生”といわれる卵も値上がりが止まらず、いまや1パック300円程度と、かつての1・5倍の値段がつけられ、物価高にあえぐ家計をさらに圧迫している。コメ価格を5キロ5000円で換算すると中盛り1杯(生米65グラム)として約70円程度。卵1つは約30円なので、冒頭の投稿のとおり、まさに“TKG(卵かけごはん)1杯100円”となる。こんな生活がいつまで続くのか。農業ジャーナリストの松平尚也さんに聞いた。
「政府は2月14日、備蓄米21万トンの放出を発表しました。これまでは、不作や大規模災害など緊急時にしか放出できない仕組みだった備蓄米。過去には東日本大震災や熊本地震のあと放出していますが、流通円滑化のための利用は初めてとなります。
ただし、あくまでも目的は“流通の安定”であり“米価の引き下げ”ではない。12日の会見で江藤拓農林水産大臣が言ったように“投機目的、マネーゲーム”でコメが不足しているのだとすれば、今回の放出や、作付けが始まる春のタイミングで、ある程度の落ち着きは見せると思います。が、そもそも農家のコストも上がっている。本格的に米価を安定させるためには、農水省が農家を支援すべきでしょう。一般の家庭でも、スーパーで買う以外に、農家とのつながりを持つことも自衛手段として必要になってくるかもしれませんね」