不倫が発覚すれば、修羅場になることは明白。そのため修羅場回避のために工夫を重ねる慎重派も。
美穂さん(仮名=37)は、レストランに出かけたり、外を並んで歩くデートを8年間、1度もせずに不倫の恋を続けてきた。
「待ち合わせは必ず、ホテルの部屋の中。出入りには時間差をつけます。彼は自営業なので、普段からそのホテルを仕事場として利用してもらい、ひとりで泊まる日もつくる。本当は普通のカップルのようなデートもしてみたいけど、絶対に関係を終わらせたくないので、外では会いません」
彼とのメールはすべてビジネスワードですませる。
「明日デートしようは、《明日会議》。連絡が欲しいときは、《書類のやりとりをお願いします》です」
さらにツワモノも。社内不倫歴5年の嘉子さん(仮名=40)は、ほぼ暗号のようなメールしか送らない。
「モールス信号ではないですが、メールはすべて数字のみ。見たらすぐ消すことが基本ですね」
数字の1=あ、1の二乗=い、1の三乗=う……。メッセージは短文で、数字が10個以上並ぶことはない。携帯を見られたり、誤送したりしても、誰にも解読できない。
数か月に1度の大イベントに万全の準備で臨むベテラン昼顔妻の亜矢さん(仮名=40)は“泊まりの研修”と称して、地方の彼に会いに行く。
「30枚綴りの研修プリントを作って、出かける数日前にわざと夫の目につく食卓に無造作に置きます。宿泊先のビジネスホテル名も記載し、実際にそのホテルにチェックイン。料金を支払い、領収書をもらってから、彼が待つホテルに向かいます」
そんな亜矢さんでも、1度だけミスを犯したことがあったという。
「研修日と同じ日付の舞台チケットを、夫に見られそうになったんです。それ以来、デートのレシートはその場ですぐ捨てるようになりました」
16年にわたり、不倫経験者の話を取材してきたノンフィクション作家の亀山早苗さんはこう語る。
「最近、大胆な付き合い方をする人が多い。恋心が盛り上がり、SNS上に平気で不倫相手との関係を語る人もよく見かけるようになりました。いつバレて壊れてもおかしくないのが不倫。家庭を壊すつもりがないなら、お菓子は、お菓子以上に味わわないと肝に銘じたほうがいいですね」