現在放送中の『新・牡丹と薔薇』(フジテレビ系)は213作目。数々の名作&衝撃作を世に送り出し続けた昼ドラ。そこで昼ドラの歴史や雑学を紹介。
■初期はモノクロ&15分文芸作品も多かった
記念すべき東海テレビ制作の昼ドラ1発目は『雪燃え』('64年、水野久美&葉山良二)。スタート当時は1話15分で、円地文子や井上靖などの原作による、文芸色が濃い作品が多かった。
'70年代後半になると『あかんたれ』('77年、志垣太郎)、『ぬかるみの女』('80年、星由里子)など花登筺による原作の浪速ど根性モノがヒット。朝ドラのような“女一代記”的サクセスストーリーも多数。『悦子逆転』('82年、宮本信子)、『おりんさん』('83年、池波志乃)など。
■ドロドロの先駆け、伝説の“嵐三部作”
『愛の嵐』('86年、田中美佐子&渡辺裕之)に始まり、『華の嵐』('88年)で共演した高木美保&渡辺裕之は“ゴールデンコンビ”と呼ばれるほど大人気に。『夏の嵐』('89年)でもこの2人が起用された。
華族と平民の激動愛は“昼ドラ=愛憎ドロドロ劇”のイメージを植えつけた。平均視聴率は16%を超え、劇中の挨拶「ごきげんよう」も流行した。
■“昼ドラの脚本帝王”はやっぱり中島丈博
『新・牡丹と薔薇』の脚本は中島丈博。その独特な展開&言い回しは依存性が非常に高く、ハマる人続出。『風のロンド』('95年、森口瑤子&田村亮)に始まり、流行語大賞トップテン入りするほどのヒットとなったのは『真珠夫人』('02年、横山めぐみ&葛山信吾)。“たわしコロッケ”は世を震撼させた。
さらに『牡丹と薔薇』('04年、大河内奈々子&小沢真珠)は“役立たずのブタ!”“パパ嫌、パパイヤよ”など名ゼリフぞろい。
『偽りの花園』('06年、遠山景織子&上原さくら)の“五寸釘入り玄米パン”“草履カツレツ”、『麗わしき鬼』('07年、金子さやか&遠野凪子)の“ケータイケーキ”ほか『さくら心中』('11年、笛木優子&徳山秀典)の“愛の歴史ケーキ”に至っては、なんと使用ずみのコンドームまで混ぜられていた。
■愛憎劇だけじゃない、ロングヒットはほっこり作品
昼ドラ最長シリーズは『はるちゃん』('96年)。仲居・はるちゃんこと伊藤洋子(中原果南)の奮闘劇で、『はるちゃん3』('99年)までは山中温泉、以後土肥温泉、浅間温泉、登別温泉と舞台を移し『はるちゃん6』('02年)まで続いた。
最近のロングヒット作は、'10年にスタートした『花嫁のれん』。金沢の老舗旅館を舞台にした嫁(羽田美智子)姑(野際陽子)の笑えるバトルは今年1~3月に第4シリーズが放送された。