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 江戸時代、将軍の正室や側室、彼女らに仕える女中が住んでいた大奥。この大奥で繰り広げられる女たちの確執、壮絶な闘いを描いたフジテレビの人気ドラマ『大奥』が11年ぶりに復活する。

 2週にわたる放送だが前後編でなく、ガラリと趣の異なる2つの物語による二部構成。主演は時代劇初挑戦の沢尻エリカ。第一部で「悪女」、第二部で「聖女」を演じ分ける。

「数年前から『大奥』復活の機運はありました」(羽鳥健一プロデューサー)

 復活には物語の面白さのほかにも、大きな要因があったという。

「ヒロインを演じるのは誰か、ということです。脚本家の浅野妙子さんによって2つの秀逸な物語が紡がれ、いよいよ最適な主演女優のキャストを探っていた中、今作にベストマッチと判断した沢尻エリカさんに出演を快諾していただき、制作の実現に至りました」

 時代劇が初めての沢尻について、羽鳥プロデューサーはこう語る。

「不安もあったと思いますがひと言も口にせず、大奥という世界に大いなる好奇心を抱いていただき、非常にポジティブに主演女優、しかも2役での主演という大役をお引き受けいただきました。お母様から“ぜひお引き受けしなさい”と後押しもあったと伺いましたが(笑い)」

 2003年にスタートした『大奥』シリーズでは、時代劇出演経験のない女優を起用、新たな魅力を開花させている歴史がある。

 今回は、沢尻に加え第一部「最凶の女」で、渡辺麻友(AKB48)、第二部「悲劇の姉妹」で蓮佛美沙子も時代劇初挑戦。渡辺は、沢尻との禁断の愛の相手役で、初のラブシーンにも挑戦している。

 物語は50年にわたる長期政権の第11代将軍・徳川家斉を支えた大奥が舞台。

 家斉役の成宮寛貴は、第一部で壮年期、第二部で青年期の家斉を演じ分けるため、1か月で7キロの減量をして撮影に臨んだという。

 そして、大奥総取締を演じるのは「圧倒的なオーラと華麗な立ち居振る舞い、芝居の迫力」(羽鳥プロデューサー)の浅野ゆう子。全シリーズの人気者で“美味でございます~”で、おなじみのコミカルな奥女中トリオ「スリーアミーゴス」も登場し、ファンの期待に応える。

 羽鳥プロデューサーは撮影について次のように振り返る。

「緊張感をキープしながらも和気あいあいとした非常に素晴らしい現場の雰囲気でした。長期の撮影でしたが予備日を1日も使わずに撮影を終えました。これはめったにないケースです」

 第一部「最凶の女」の主人公は家斉の寵愛を一身に浴び、長きにわたり権勢をふるった“大奥史上最強の側室”お美代(沢尻)。「悪女」として有名なお美代が美貌と知性で大奥の頂点に上り詰める姿と、シリーズ初という女性同士の禁断の愛も描かれる。

 第二部「悲劇の姉妹」は、梅(沢尻)と歌(蓮佛)の姉妹の激動の姿を描いている。大奥入りした姉・梅への嫉妬から自らも大奥入り、姉を陥れる画策をする歌。そんな歌を梅は「聖女」のような大きな心で受け入れる。こちらはフィクションだが、姉妹ものはシリーズ初だ。

「沢尻さんが2週にわたって“悪女”と“聖女”を演じ分けるのが最大の見どころだと思います。また『大奥』ならではの豪華絢爛な着物姿や世界観も大きな見どころです」(羽鳥プロデューサー)

 どちらの物語も美しく、華やかなシーンが盛りだくさん。

「上様の寵愛を得るため繰り広げられる『大奥』という男子禁制の“鳥籠”の中での女性同士の嫉妬、トラブル、プライドのぶつかり合い、本音のやりとり、その根底にある正義や復讐心、どうにもならない人間の業などは、現代にも通ずるものがあり、視聴者、特に女性は共感を抱いていただけると思います」(羽鳥プロデューサー)

フジテレビ系

第一部「最凶の女」1月22日夜9時~

第二部「悲劇の姉妹」1月29日夜9時~