敏腕社長でありながら「理学博士(Ph.D.)」「MBA」「行政書士」「宅地建物取引士」「栄養士」などと多くの資格を取得し、その波乱万丈の経営経験から、多くのビジネス書が著作にある臼井由妃さん。そんな彼女の著書『お金持ちはなぜ、靴をピカピカに磨くのか? 金運を鍛える「節約」生活のルール』(朝日新聞出版)が9月下旬に発売された。同書では、夫が残した3億円の借金返済を可能にした節約術やノウハウが解説されている。今回は前回の「お金持ちに信心深い人が多いのはなぜか?彼らが「運」に敏感な理由とは」に引き続き、臼井さんがお金持ちならではの”考え方”を教えてくれた。

 12年ほど前、知り合った大地主さんの話です。

 その方は、都心の不動産市場が活況で新築マンションや個人投資家が狙う「収益物件」と呼ばれる数億円の一棟マンションやアパートも活発に取引されているなかでも、「祖先の土地を守るのが私の役目」といって、持ち込まれる資産運用や土地の売却話に耳を貸すことはありません。

「私はギラギラしたものが嫌いです」という暮らしぶりはいたって地味で、正直、資産数十億のお金持ちとは思えないのです。

 彼がいう「ギラギラしたもの」とは、お金にものを言わせて不要なものまで買い漁る行動や傍目で分かるような「ブランド品」や「宝飾品」を身につけること。「高級外車」や「クルーザー」「自家用ヘリコプター」なんて、彼の眼中にはありません。

 なぜでしょうか?