アップしたときの現場は、大騒ぎだった。
「すべて終わったとき、キャストやスタッフのみなさんがわーっと集まってくださって。ムロ(ツヨシ)さんなんて普段着で走ってきてくれて。直虎さんも走ってきたと思ったら、美術スタッフの男性が直虎の扮装をしていたんです(笑)。そのまま僕の胸に飛び込んできたんですけれど、倒れてしまいそうなくらいすごい勢いで、もうちょっと加減してくれてもよかったんじゃないかと思いましたが(笑)。
でも、それだけみんなが一緒にいられる空間を楽しんでいたのに、そこに政次として僕はもういることはできないんだ、と思うとちょっと寂しかったです」
彼は8月20日の放送で、その役目を終える。第33話のタイトルは『嫌われ政次の一生』――。
「このタイトルを聞いたとき、“ああ、そういうことなのか”と。最後まで嫌われ政次でいようとしたんだ、って思いました。僕は彼の生き方は美しいと思います。寡黙(かもく)を貫き、いちばん親しい人でも何を考えているかわからないくらいの人間が僕は好きなので(笑)。僕がしてみたいお芝居と、政次という役がちょうどリンクする部分もあったので、今、彼に巡りあえて約1年間ともに過ごせたことは本当に感謝しています」
それ、もっと疲れない?
大河ドラマの収録は終わったが、ほかにも多くのオファーを受けている高橋。趣味の登山に行けるような、夏休みはとれそう?
「いつもの夏より休みがないと思います。10月期の月9『民衆の敵』の撮影も入っていますし、次回の朝ドラ『わろてんか』の撮影も始まっているので、大阪と東京を行ったり来たりしています」
忙しいときの気分転換は何している?
「やっぱり自転車です。この前も半日休みがあったので、120キロくらい走ってきました。都内から奥多摩を往復するとこのくらい走れます。自転車に乗っているときは“無”になれるんです。僕、禅もやるんですけれど、まさにその境地です」
【お詫びと訂正】当初、記事中で第33話『嫌われ政次の一生』の放送日を「8月27日」としていましたが、正しくは「8月20日」でした。訂正してお詫びいたします(2017年8月14日12時50分)。