姿勢のキープがさらなる成長を促す

 ヨガには、流派にもよりますが極端に俊敏な動きはほとんどありません。老若男女だれでも、何歳からでもできます。その代わりというわけではありませんが、ヨガでは同じ姿勢をキープすることがあります。同じ姿勢をキープすると筋肉に負荷がかかり、成長ホルモンが分泌されます。

 筋肉に負荷がかかることで人間らしさの象徴である、前頭前皮質を中心に脳が刺激されます。ヨガを続けている方が何歳になっても若々しく、クリアな意識を保っている秘訣も、ここにあるといえます。

 姿勢を保持している間も呼吸に意識を向けながら、体幹の筋肉を働かせていくので、体幹を鍛えている、という意識が特になくても、体幹を活性化し、鍛えることになります。

『デキる人は、ヨガしてる。』石垣英俊・及川彩著(Business Life13)※記事の中の写真をクリックするとアマゾンの紹介ページにジャンプします
すべての写真を見る

 アーサナは全身を使いながら、柔軟性と安定性を高めていくものです。柔軟性と安定性が高まると、背骨は自由で安定した動きを取り戻し、本来の位置を無理なくキープすることができるようになり、姿勢も理想的な状態に近づきます。

 これは静止した状態の時に限った話ではありません。動いている際の姿勢も安定してくるので、ちょっとしたことで怪我をしてしまうようなこともなくなり、自由な動きを獲得することができます。

 背骨が健康な状態にあると、背骨に保護されている脊髄と、出入りする神経系の働きが良好になります。呼吸や体液循環も促され、何より内臓の働きが活性化します。

 さらには、人は理想的な姿勢でいると、重力に抗う無駄な筋力を使うことがなくなるので、限りなく省エネで過ごすことができるようになります。

 疲れ知らずでフットワークも軽くなるので、仕事の効率も上がることでしょう。