伝説の解答者との共演

 クイズ史に残るさまざまな番組、いまや伝説となった解答者たちと共演してきたことも彼女の財産となっている。

「『クイズダービー』のはらたいらさんは本当にすごかった。あるとき、お坊さんに関するクイズが出て、誰もわからないのに、さも当然のように正解なさって、“なんでそんなことまでご存じなんですか?”って尋ねたんですよ。そうしたら、先月号の『月刊住職』に載ってたよって。そんな雑誌にまで目を通しているのかと本当に驚きました。

 やくみつるさんもそうですけど、社会批評を描く漫画家さんって森羅万象すべてにアンテナを張りめぐらせてらっしゃるんですよね。これはおもしろそうだと思ったら、どこか心の隅にとめておくと、そこから違う世界が広がることもある。そういう意味でクイズは知的好奇心を刺激してくれるいちばん身近なものだと思うんですよ」

 出演者たちの知力の競い合いをスポーツ観戦のような感覚で楽しみつつ、そこに自分も参戦できる。クイズ番組の素晴らしいところは、その双方向性だろう。

「おじいちゃん、おばあちゃんからお孫さんまで、家族が世代を超えて楽しみながら勝負もできる。そんな番組ってクイズしかないですもんね。出演者側からすると、確かにスポーツをしているような爽快感はあります。もちろん、負けたときは悔しさも。この年になって息子のような若い子たちと真剣勝負ができるのは何ものにもかえがたい喜びです。

 たまに小さな女の子からお手紙をもらうんです。こういうおばちゃんもいるんだって、励みや勉強のきっかけになったら、おばちゃんとしてはこんなにうれしいことはないです(笑)

<プロフィール>
宮崎美子◎熊本大学在学中にミノルタのCMに出演、そのみずみずしい水着姿が大反響を呼ぶ。以来、才色兼備のタレント、女優として活躍。’81年に『クイズダービー』のレギュラー解答者に。現在まで、『クイズプレゼンバラエティー Qさま!!』ほか、数多くのクイズ番組に出演している。