「井之脇海(かい)といいます。これは本名で、自分でも気に入っているんです。出身地・横須賀の海が近かったのでこう名づけられました。ちなみに女の子だったら“海(うみ)ちゃん”だったそうです(笑)」
優しい口調でそう話すのは、“第2の高橋一生”との呼び名も高い井之脇海(22)。朝ドラ『ひよっこ』にも出演し、現在放送中の大河ドラマ『おんな城主 直虎』では大人になった亥之助(小野万福)役を演じている。
「高橋一生さん演じる小野政次の甥っ子役だったんですが、一生さんがとても注目されているということもあり、そういう意味では不安もありました(笑)。大河への出演は素直に言えばうれしかったですし、怖いと思うところもあって。撮影期間は期待に応えられるよう、とにかく与えられた役を全うすることに集中しました」
本名も役名も“イノ”つながりということで、『直虎』への出演には運命的なものを感じたそう。
「虎松あらため万千代役の菅田(将暉)くんにはいつも“イノ”って呼ばれてましたね。何よりも今回は岡本幸江チーフプロデューサーをはじめ、(以前出演した)朝ドラ『ごちそうさん』チームと同じで。自然とこの役に導かれた感じがありました」
菅田とは息の合ったいいコンビネーションを見せており、
「菅田くんとは映画『帝一の國』や『あゝ、荒野』でも共演していて。もともと知り合いではあったんですが、もっと距離を近づけようということで、撮影初日は焼き肉に誘っていただいたんです」
2人きりで、役のことや万千代・万福の関係性、そしてプライベートのことまで、話に花を咲かせたそう。
「僕も菅田くんも結構ストイックにいろいろ考えてから現場に行くタイプ。でもリハで初めて芝居を合わせたときに、違和感を持つことももちろんあるんです。そのときに“ここはこうしない?”ってちゃんとコミュニケーションがとり合える。距離感も遠すぎず近すぎず、それでいて信頼関係がある。無我夢中でお互い学びながらやっていけるいい関係性です」
『直虎』の小野万福(井之脇)は、井伊万千代(菅田将暉)とともに、家康(阿部サダヲ)に仕え、草履番から小姓に。菅田との掛け合いは“名コンビ”とも名高いが、そんな彼のすごみとは?
「菅田くんは“どう見られるか”ちゃんとわかってるんです。僕にはその能力はなくて。セルフプロデュースがちゃんとできるのってすごいなって。そのときの環境によって人格を分けていて、いろんな顔を持っているので、人間としてすごく惹かれます」