3.夜のコーヒーは翌日のコンディションに響く

 仕事は「点」ではなく「面」で考えてこそ、この先の成功への道が開かれるものです。その日1日を、あるいは1つのプロジェクトを終わらせるためだけに働いていたら、それまでです。その時の達成感はあっても、それ以上の結果は最終的には得られません。

 残業中のコーヒー頼りも典型的な「点」パターン。その仕事を終わらせるためだけにコーヒーの覚醒作用にすがっているだけで、明日以降のことをまったく考えていない最悪のパターンです。

 理由は、コーヒーの覚醒作用の「持続時間」にあります。一般的には4~5時間とされ、人によっては8時間以上もその作用を発揮するとさえ言われています。つまり、残業中にコーヒーを飲み続けて帰宅した場合、体は疲れて早く寝たいのに頭は覚醒して寝付けないという不眠症の症状を招きかねないということです。

 脳の休養に必要な睡眠時間は眠りの質によっても異なりますが、十分な睡眠が得られなければ、能力を最大限に発揮することは難しいでしょう。

 また、コーヒーの覚醒作用を使って一時的に残業を乗り切ったとしても、翌日のパフォーマンスは下がる一方。判断能力の低下や会議中の居眠りを招く原因となります。これでは生産性も上がらず、結局また残業して追いつく……というような悪循環に陥ってしまいます。コーヒーの活用には、時間計算も必須なのです。

 まず、残業中のコーヒーは避けましょう。そして、夕方以降にコーヒーを飲む場合、あるいは飲みたくなったときには、「就寝予定時刻の7時間前まで」を徹底すること。もちろん個人差はありますが、それ以降のカフェイン摂取は、睡眠に影響を与え、次の日の生産性を下げる原因になるので注意が必要です。

 それでも夜遅くにどうしてもコーヒーが飲みたくなってしまったら、カフェインレスという選択肢もあります。水を使ったカフェイン除去では、カフェインと同時に健康に役立つクロロゲン酸も約50%ダウンしてしまうので、豆に負担を掛けない二酸化炭素抽出法を用いたものがおすすめです。