一周回ってまたその人にスポットライトが注がれることのある芸能界だが、今年のスポットライトはこの人を選んだ。
歌手の荻野目洋子(49)。
唯一のヒット曲と言っていい32年前の『ダンシング・ヒーロー』が脚光を集め、12月30日に開催される『第59回輝く!日本レコード大賞』で特別賞を受賞することになった。
その会見に出席した荻野目は「奇跡の1年になりました」と感無量の表情で語っていたが、まさに奇跡の出来事。
「つまり、荻野目は、自らの努力というよりも運によって再脚光を浴びたのです。運が見方をするわけですから、まさに芸能人ですよ」
と情報番組芸能デスクは語る。
大阪府内の高校ダンス部が躍った『ダンシング・ヒーロー』が動画投稿サイトユーチューブで人気になり、火が付いた。だが、それ以前にも、この曲が全国的に支えられてきた場面があるという。
「物まねタレントの平野ノラ? 彼女ではありません(笑)。彼女もヒットにひと役買っているとは思いますが、実は盆踊りなんです」
そう話すのはウェブサイト記者だ。続けて、
「『東京音頭』や『炭坑節』といったスタンダードなものから、『ドラえもん音頭』などアニメ系の歌もあります。その中に、『ダンシング・ヒーロー』があるんです。
’90年代から岐阜県で始まったものが全国に広がり、東京でも様々な地域の盆踊りで、中高年の女性が躍っていますよ。他にも外国曲の『バハマ・ママ』は、意外や意外、盆踊りの定番曲ですけどね」
盆踊りは、営利目的ではなく地域の親交のためにやっている場合、「著作権侵害に当たらず、JASRACが使用料を徴取することはない」(前出・ウェブサイト記者)。どんな名曲でもあっても使用できるのはそのためだ。
荻野目が32年前にヒットさせた外国の楽曲は、日本の盆踊りに支えられ現役感を保ち、さらに平野ノラのものまね、高校ダンス部に選曲されたことで再び脚光を浴びた。
ヒット曲というものは、生涯歌い手を支える。ありがたいものである。
<取材・文/薮入うらら>