清水容疑者を知っているという女性は、
「普通の方ですよ。会えばあいさつをする。髪の毛は短くてボブっぽい感じ。ジャージ姿でよくウォーキングをしているところを見ました」
と証言。お互いの家庭事情を話すようなことはないが、母娘の言い争いを聞くことはあったという。
しょっちゅう聞こえる口ゲンカ
「夏場とか網戸にしているじゃないですか。そうすると、清水さんとお嬢さんが言い合いをする声が聞こえてきました。口ゲンカはしょっちゅう。女の人の声だけですが、ときどき男の人の声もしていて、たぶん、お父さんだと思います。近所の人の話だと、怒鳴り声でテレビの音も聞こえないってこともあったみたい」
かなり激しい口論の様子がうかがえるが、もめごとが何なのかははっきりしない。それでも日常的に諍いが続いていたようで、
「女性がキャーッて叫んだり、罵声を浴びせたり、何ていったらいいのか、とにかく尋常じゃない感じ。母娘でもめていると同時に、家族全員でもめているような感じでもありました。まさか事件になるとは思いませんから、通報することはありませんでしたけど」
ほかにも清水容疑者が早朝からパン作りをして、パン生地をバンバン台に投げつけている音がうるさいと近所から文句を言われたり、一時期は声楽にはまり家から歌声やピアノの音が響き、ご近所に距離をおかれていたこともあったという。
さらに別の家に間違って届いた清水家の郵便物を親切心から届けた住人に対し、清水容疑者は「別にそういうのいいから」とインターホン越しにはねつけ、あきれさせたこともある。近所に気軽に話せる人はいなかったとみられる。
母娘の心理や親子関係に詳しい東京未来大学講師の井梅由美子氏は、母娘間のトラブルや事件について、
「母娘が密室状態の中で2人きりでいると、関係はどんどん煮詰まっていきます」
と家の中で緊張状態が高まっていたとみる。
近所の住民は、言い争いの声に父親のそれが時折、含まれることがあると前述のように証言しているが、
「父親が緩衝材になるケースもあります。今回も父親がいないときに事件が起きました」
と、もし父親が不在でなければ、殺人事件にまで発展しなかった可能性を示唆する。