イメージカラーは青
ニセモノで見える真実

 ハリカのブルーのダウンジャケットに象徴されるように、本作のイメージカラーは、青。登場人物の持ち物や家の小物などに青が使われている。

 そして“ニセモノ”がドラマのキーワードに。

ニセ札、擬似家族、ニセモノの記憶……。さまざまな“ニセモノ”がちりばめられています。しかし、ニセモノは、必ずしも邪悪なものではない。ハリカの幼少期の記憶はニセモノだけど、彼女は生きるために無意識のうちに改ざんしていたという仕組み。名字を偽っていたるい子は、亡き娘の幻影との会話で支えられてきました。

 数々のニセモノを表現しているため、ファンタジーと評されたりもしますが、ファンタジーという名の“ニセモノ”にこそ、真実が隠されているのではないかと思っています

孤独なハリカは、彦星とチャットすることを心の支えにしている。(c)日本テレビ
孤独なハリカは、彦星とチャットすることを心の支えにしている。(c)日本テレビ
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 第7話(2月28日放送)では、ニセ札作りに協力することになった亜乃音が、ハリカだけには犯罪に手を染めてほしくないと思っていたが……。

「忌み嫌っていたニセ札作りを始めることは、ニセモノに頼ること。しかし、ニセモノを知ることは、ハリカはじめ、それぞれの登場人物が自分にとって、いちばん大切なものとは? さらには、生きることの意味とは何か? を考えることにつながっていくのです。

 ハリカは、亜乃音と母娘のようにケンカして感情をむき出しにして、心の交流を続ける彦星への思いも変化していきます。

 本作をご覧になって、自分自身や人生を考えるきっかけになればと思います」

衣装のポイントはおばちゃんぽさ

 亜乃音を演じる田中の役作りは衣装にもこだわる。

(c)日本テレビ
(c)日本テレビ

「流行(はや)りや美しさ、似合うとか体形がよく見えるといった女性が気にしがちなことは考えてないようです。きれいに映りたいというより、お芝居のために生活感のある、“おばちゃんぽさ”を追求されてるようです。新品ではなく、くたっとしたような靴下をリクエストしてました」(次屋P)

 さらに食事シーンでは「ズルズル〜」と音を立てながら食べるなど“ウソ”のない演技に注目です!

まだ間に合う!
あらすじプレーバック

 ハリカ(広瀬すず)は、家族を失い社会にも背を向ける19歳の少女。ネットカフェで暮らし唯一の楽しみは“カノン”さんこと、彦星(清水尋也)とのチャットの会話。余命宣告されている彦星に満足な治療を受けさせるための大金が欲しいと思っていた。そんな矢先に床下から大量のニセ札を発見した亜乃音(田中裕子)と知り合い、心を通わせるようになる。さらに、ニセ札をきっかけに出会った、るい子(小林聡美)や舵(阿部サダヲ)と亜乃音の家で共同生活を始めることに。

 そんな彼らに、亜乃音の亡き夫の印刷工場の従業員だった理市(瑛太)が、ニセ札作りを持ちかけた。犯罪とわかっていながらも、4人はそれぞれの事情から、ニセ札作りに協力する――。