「3月18日からカナダで女子の世界選手権が行われていますが、あまり報じられていません。男子も31日からラスベガスで開催されるのですが、男女ともに五輪代表とは別のチームが出場しているのです。世界選手権に出場している選手の顔と名前が一致している人は少ないでしょう」(カーリング協会関係者)
平昌五輪では女子カーリング代表のLS北見が銅メダルを獲得した際、瞬間最高視聴率は42・3%を記録。いちばんブレイクした競技といっても過言ではない。
「“そだね~”という相づちや、5エンド終了後に栄養補給でフルーツなどを食べる『もぐもぐタイム』が話題になりました。情報番組では、3月21日に行われたLS北見の祝賀パレードと報告会のほうが、世界選手権よりも時間を割いて放送されています」(スポーツ紙記者)
協会への不満
五輪に出場した時点で日本代表なのだから、LS北見と男子・SC軽井沢クラブが世界選手権に出場すればいいようにも思える。なぜ彼らは世界選手権に出られないのか。
「世界選手権は、全日本選手権の優勝チームが出場します。例年は3月に同選手権を開催するのですが、今年は五輪の影響で前倒して1月下旬に開催しました。その結果、五輪に向けて調整を行う代表チームは出場できなかったのです」(前出・協会関係者)
世間の“カーリング熱”が高まっているタイミングにもかかわらず、代表選手は出場がかなわないという。
「SC軽井沢クラブのスキップ・両角友佑選手は協会に質問状を送るなど、意見交換を繰り返しました。五輪選手不在の日本選手権・世界選手権は最大限の普及にはならないと考えていたんです。
五輪選手であれば、引き続き応援できる。五輪選手を破って世界選手権に向かうチームがあれば“そんなに強いチームなんだ!”と視聴者も納得できる。今回の協会の方針では、世間の熱を生かしきれない。両角選手も“もういいかな、って思ってしまうほど”と協会に対して不満を抱いています」(前出・スポーツ紙記者)
そんな選手の声や世界大会の試合の日程変更などを受け、
「今後、日本選手権を5月に開催する案を検討しているそう。代表チームの強化に時間を割くことができるからだといいます」(前出・協会関係者)
この件について、SC軽井沢クラブとカーリング協会に問い合わせてみたが、
「答えられません」
とのこと。3月21日に行われた祝勝会の際、LS北見サードの吉田知那美は、涙ながらにこう語った。
「パフォーマンス以外の部分でも多くの報道があることに正直、戸惑いや驚きも感じています。カーリング選手として評価していただけるよう頑張りますので、カーリング選手としての私たち、そして日本のカーリング界全体を応援よろしくお願いします」
カーラーたちの努力と涙を無駄にしてはならない。