「私が小学生だったころ、テレビドラマを見ていて“官僚になりたい”と言ったことがあります。すると父は、子どもの話だからとスルーせずに“官僚になるなら東大の文Iに行かないとな”とまじめに答えてくれました。そのとき将来の夢と道筋がつながったんです。
今の勉強が将来の何につながるのか、イメージできれば勉強に意味を見いだせるので自発的に頑張れるようになります」(山口さん)
一方、いい点をとったら何かご褒美をあげるという親の行動もやめるべき。
「勉強をする目的が親のため、欲しいもののためとなってしまい、これではいつまでも勉強が他人事のままです。努力を褒めてあげるだけでいいと思います」(山口さん)
子どもを上手にのせるのが親の役目
根拠がなくても、自信をもたせることはとても大切。
「頑張ればできると思えるメンタルの強さは人生を切り開くうえでも欠かせません。そんな自信を育むのは、親のポジティブワードです。
上手だね、得意だね、才能があるねとたくさん褒めましょう。できなかったことも、どうしてできないのと責めるのではなく、できたところまで褒める。それこそがくじけずに頑張ろうとする最強のメンタルにつながるのです」(山口さん)
また、親が子どもの学習に関心をもち、フィードバックすることが必要なのだそう。
「子どもが音読していたら、しっかり聞いて、“今のところは主人公の気持ちがよく出ていた”とか“そこはよくわからなかったからもう1度読んでみて”と親が関心を示すことで、子どものやる気はがぜん大きくなります。
大きな公園に行くなら昆虫図鑑を持参。虫を見つけたら一緒に学習の楽しさを親が楽しむことで伝えてください」(山口さん)
生活習慣や勉強習慣を正していくためには、ただ上からやらせるのではなく、親の姿勢を見せたり、子どものやる気を引き出す工夫が必要。まずは自分がどうのように子どもと接しているのかを見直してみましょう。
正しい生活習慣の中に勉強を組み込むことで、宿題などの勉強が当たり前になってきたらステップアップ。さりげない誘導によって、さらに上の学力を自発的に目指す勉強習慣を身につけさせましょう。