『報道ステーション』(テレビ朝日系)の新キャスターに、同局のアナウンサーだった徳永有美が就任したことが、大きな話題になっている。
徳永アナの現役時代を知らない視聴者は、元アナウンサーが古巣の番組に出演することが、なぜ、そんなに騒がれるのか、疑問に思うだろう。
徳永アナは、同期のディレクターと結婚していた'03年、『内村プロデュース』で共演していた内村光良との不倫が発覚。そのため同番組と、キャスターを務めていた『スーパーモーニング』を降板することになった。
同年9月には夫と離婚が成立し、その半年後に『報道ステーション』のスポーツコーナーで復帰したが、'05年に内村と結婚し、テレ朝を退社した。
当時、人気看板キャスターと売れっ子芸人の不倫ということで、大きな注目を浴びたのだが、この騒動より前に、不倫疑惑を報じられたキャスターがいなかったわけではない。
田丸美寿々(元フジテレビ)を筆頭に、小宮悦子(元テレビ朝日)、安藤優子(フリー)、近藤サト(元フジテレビ)、丸川珠代(元テレビ朝日)、ら錚々(そうそう)たる顔ぶれだ。
同じように、10月から、裏で新キャスターを務める有働由美子にしても、'00年に、変装して、当時横浜ベイスターズの石井琢朗選手のところへ通う姿を写真誌にキャッチされた(石井が離婚した2か月後のことだった……)。
報道に関わるキャスターには、男女を問わず、清廉潔白さが求められる。それは今も昔も変わっていない。
つい最近も、NHKを退社してフリーになった“麿(まろ)”こと登坂淳一アナのセクハラ疑惑が報じられ、決まっていた番組を降板している。
彼女たちに対する世間の風当たりは強かったのはいうまでもない。しかし、徳永アナほど厳しい目を向けられた人はいないだろう。
徳永アナは好感度も高く、人気もあり、“不倫”などとは無縁と思われていた。それだけに、ガッカリしたファンも多かったからだ。また、彼女の場合は、ほかの人と比べて、騒動そのものが生々しく展開したからともいえる。
泥沼離婚騒動となったが、離婚は成立。そこまではよかったのだが「2度と内村と会わない」と言っていた矢先、内村との密会&復縁を写真誌にキャッチされてしまったのだった。
これはもう、芸能マスコミの格好の餌食である。内村が責任を取る形で結婚はしたものの、彼女はすぐに退社。
そんないきさつがあったのにも関わらず、古巣に復帰となったから、これだけざわついているわけだ。これが他局であったなら、大きな話題になることもなかったと思われるのだが。
あれから13年。若い人たちは騒動を知らないし、覚えている人も少なくなったと思う。
だが、残念なことに、芸能界に“時効”はないので、話が蒸し返され、彼女は再び好奇の目にさらされている。番組の話題作りとしては、成功したと思うが、これが視聴率アップにつながればいいが。
<芸能ジャーナリスト・佐々木博之>
◎元フライデー記者。現在も週刊誌等で取材活動を続けており、テレビ・ラジオ番組などでコメンテーターとしても活躍中。