毎月、貯金ができなのが不安
美波さん(42歳、仮名)は、大きな百貨店に勤めています。百貨店は、土日、祝日、年末年始と、人がお休みしている時が書き入れ時です。
「結婚したら転職をして、土日祝日が休める仕事に変わろうと思っています。パートタイムの仕事にして、家族との時間を大切にしたいんです」
婚活をスタートさせるときに、私にこう言っていました。
そんな美波さんが、お見合い後にお付き合いしていた吉本さん(42歳、仮名)と、結婚に向けての真剣交際に入りました。その後、未来の生活について具体的な話をするようになったのですが、ある時、美波さんから、相談の電話がかかってきました。
「吉本さんに、『結婚したら今の仕事をやめて、パートタイムの仕事を見つけたい。あいている時間は家のことをしたい』と言ったら、反対されました。『自分の給料は決して多いわけではないので、パートではなく今のままフルタイムで働いていてほしい』と言うんです」
吉本さんは、1年ほど前に、今の会社に転職をしました。以前勤めていた会社は給与がよかったものの勤務形態がキツく、また人間関係も良くなかったので、思い切って転職したのです。
前職の時は、毎月決まった額の貯金もできていました。それが今は全くできなくなってしまったというのです。
「1人から2人の生活になったからといって、生活費が2倍になるかと言うとそうじゃないですよね。男のひとり暮らしだと外食も多いし、何かと出費がかさむ。
私がパートをしながら、うまくやりくりすれば少なからず貯金はできると思うんです。それに吉本さんには、かなりの金額の貯金がすでにあるんですよ」
驚くべきは、その金額でした。前の会社の退職金とこれまでコツコと貯めた金額を合わせると 2000万円以上もの貯金がある。
「たとえ銀行口座に2000万円あったとしても、今、貯金ができないこと、また貯金を使って減っていくことが不安なんですって。『老後のためにこのお金は崩さずに取っておきたい』というんですね」
このカップルは、女性が結婚後の仕事をどうするか、今、話し合っている真っ最中です。