西麻布にあるブティック『PRESS601』を経営する遠藤勝義さんも、希林さんとの親交が30年以上もある親友だった。
「私の子どもと也哉子ちゃんが、小学生から同じインターナショナルスクールだったことから、保護者の集まりで希林さんと知り合ったんです。
週に1~2回は店にいらっしゃって、希林さんが出演する映画やCMで着る衣装を作ったり、アドバイスをしていたんです」
“モノを大切にする”というポリシーを持っていたそうで、
「メディアに出演する際は、必ず前から持っている洋服をアレンジして着ていたんです。最近は、也哉子ちゃんや本木さんが着なくなった洋服を持ってきて、私がアレンジしたものを着こなされていました」(遠藤さん、以下同)
希林さんは、遠藤さんに感謝の気持ちを伝えるプレゼントを贈ったこともあった。
「雑誌の『VOGUE』が、その年に最も輝いた女性たちを表彰する賞で、希林さんが受賞されたときの記念トロフィーをいただいたんです。
“これはムッシュ(遠藤さんのあだ名)のおかげだから”とおっしゃって、ケースには直筆のサインも書いてくださり感激しました」
8月には、“女優としての引き際”を語っていた。
「最後に来店されたのは亡くなる2か月前でしたが、杖をつきながら、“腕が痛いし、歩くと骨が痛い”とおっしゃっていて体調がよくないのかなとは感じていました。
その1か月後の電話が希林さんとの最後の会話でした。“今年は映画に3本出て、『エリカ38』(希林さんが企画した遺作)も撮り終えた。まだ元気だったらできるんだけど、そろそろ休もうかな。今までありがとう、ムッシュ。孫もデビューしたし、新しい世代に任せようと思う”とおっしゃっていました」
人生をまっとうした希林さんは、次世代へときれいにバトンを渡してくれた─。