マルカン大食堂を残せ!
閉店発表の1週間前、小友は『花巻家守舎』のミーティングで閉店の情報を知り、その場で「僕、大食堂の存続、できる気がする」と呟(つぶや)いたという。
3月7日閉店発表の翌日、小友はマルカン百貨店の社長と向き合っていた。そして、閉店の決断は経営陣が何年もかけて悩み抜いた末の結論であったことを知った。
当初は、花巻家守舎が大食堂以外のフロアにテナントを誘致し、収益をあげる提案をしてデパートを存続してもらうつもりだったが、その決断の重さに考えを改めた。
「いちばんの目的は、全国的にも知られる大食堂を残すことでした。だったら、自分たちが大食堂の運営を引き受けて、営業再開を目指すのはどうだろうか? ほかのフロアは賃貸物件にすればいい、それを社長に伝えました」
経営者仲間からは反対の声も上がっていたが、小友の決意は固かった。
“不可能だ”と言われたときこそ、やってやろうと考える。それが小友の気質だ。
「ユニークなスタンスで人をあっと言わせたい。人とちがう手法で、人を感動させることに恍惚(こうこつ)感というか、生きている意義を感じるんですよ」