「17歳から17年間、役者をやってきて、ひとつの節目で賞をとれたというのは、僕はもちろん、親父(渡辺謙)にとっても安心する材料になったんじゃないかなと思います」
映画『ウスケボーイズ』で主演を務めた俳優・渡辺大(34)が、マドリードとアムステルダムの映画祭でともに外国語映画部門最優秀主演男優賞に輝き2冠を達成!
「何よりも海外の方に認めてもらったことがうれしかったですね。打ち上げではワインをすこぶる空けました(笑)」
本作では、世界レベルの日本ワインづくりに、苦悩しながらも挑んだ青年・岡村役を演じている。
「ワインはつくられた国によってクセや持ち味が違うんです。僕が演じた役にはモデルになった方がいて、その方がつくるワインは漬物に近い、どこかホッとする味になっていて。これは日本のワインだよねって自信を持って言える味。でも悔しいのが、国内よりも世界が先にその素晴らしさを知っていること。この映画をきっかけに国内外にもっと広まってほしいなと思います」
また、映画祭で海外を訪れたことで自身にはこんな変化も。
「海外映画に対する敷居を感じなくなりました。“海外のほうがスゴい”みたいな風潮があるけど、みんな同じ人間だし、海外映画だけがズバ抜けているわけではない。僕らも負けてないなと! 日本ワインと同じで(笑)」
現在34歳。今後の目標は?
「今回、海外のいろんな方と触れ合うことで、ひとつのボーダーみたいなものを取っぱらえた感覚があって。世界に出ていけば、日本ワインも海外で当たり前に飲まれるようになっていく。
それと同じように、“世界で演じることが当たり前”みたいな、そんな役者になっていければと思います」
ロンドンで……
「マドリード国際映画祭に行った際、ロンドンで行われていた父(渡辺謙)のミュージカルを見に行ったんです。役者としての父は、先陣切って走ってる人だと思います。“常に限界を”みたいなことをよく言っていて。僕もいち役者としてみんなに興味を持ってもらえるように、頑張っていきたいです」
わたなべ・だい◎1984年、東京都生まれ。2002年にドラマ『壬生義士伝~新選組でいちばん強かった男』でデビュー。その後、『男たちの大和』『るろうに剣心~京都大火編~』ほか、最近では『散り椿』など数々の話題作に出演。