8月の世界選手権で日本代表が銀メダルをとった女子ソフトボール界に名将のセクハラ裁判の衝撃が走った。
「報道されてから総監督は練習に来なくなって……」
と困惑した様子で話すのは強豪・東京富士大学(東京都新宿区)女子ソフトボール部の現役部員の1人だ。
おぞましい行為が30分続いた
昨年12月、同部の元部員で20代のA子さんが70代総監督から度重なるセクハラを受けたとして、総監督と大学に対し計約1100万円の慰謝料などを求める裁判を東京地裁に起こしていたことが今月3日に判明。総監督は国内外の実業団を指導・優勝させた実績もあり、'13~'15年には関東大学選手権で同部を3連覇に導いている。
訴状などによると、'16年春ごろの合宿で、当時監督だった総監督は当時4年のA子さんを「ひとりで監督室に来るように」と呼び出した。
部屋でイスに座っていた総監督はA子さんに「ここに座りなさい」と自らのひざの上に腰かけるように何度も訴えてきたという。最初は拒否していたA子さんが押しに負けて従うと、後ろから抱き込むように両手を回し、額を背中にくっつけてきたとしている。
「おぞましい行為は約30分も続き、A子さんが耐えきれなくなって立ち上がると、今度はベッドに座るように言われた。総監督はA子さんの隣に座り、胸や太ももなどを触ったり抱きついたりしてきたそうです」(A子さんの知人)
抵抗するA子さんに総監督は「赤い糸でつながっている」「私が脱げと言ったら脱げるだろ」などと発言、さらに選手生命を盾に取った口止めもしてきたという。
「彼女は総監督にソフトボール人生を支配されていました。名将である総監督には逆らえないし退部すればソフトボールができなくなり大学にもいられなくなる。就職も危うくなるという状況でした」
とA子さんの代理人弁護士。
その後もA子さんは総監督のセクハラに耐えながら練習に参加したが、ストレスから'16年8月に倒れ、心的外傷後ストレス障害(PTSD)と不眠症を診断された。大学に相談すると、すぐさま調査が開始されたという。