猫はストレスの塊に
猫カフェで、いちばん犠牲になっているのが主役であるはずの猫とは……。それも、人間のために。
「要はキャバクラの構造に近いんです。キレイな女性に会いに行きたい、かまってもらいたい(笑)。でも、そこでいちばん負担がかかるのは、お客をもてなすホステスですよね。
人間なら、それがお金という対価になるけれど、猫カフェだとすべて経営者のフトコロに入ってしまう。猫は触りたい放題、抱き放題されて、ストレスの塊になってしまいます」(山本さん)
猫にかかる負担を減らしつつ、ビジネスとして成り立つだけの利益を上げるのは、そう簡単なことではない。前出の猫カフェ経営者は、今後の見通しについて悲観的だ。
「実際、猫カフェの数が増えすぎたということはあると思います。猫以外の動物カフェ、フクロウとかもできて、お客さんがそちらにも移ってしまっているし。
これから新規オープンするのは、殺処分をなくすための保護猫カフェばかりになるんじゃないですかね。猫を“商品”としてしか見ない、商業猫カフェではやっていけないと思います」
可愛さや癒しだけを追い求めてカフェに通うことの“意味”や、猫カフェのあり方について、利用する側も考えなければいけないときなのかもしれない。
《高い致死率──パルボウイルスとは?》
非常に感染力が強く、致死率の高いウイルス。潜伏期間は2~10日ほどで、感染すると嘔吐や下痢、脱水などの症状がみられ、最終的に免疫系が損なわれる『猫汎白血球減少症』を引き起こす。別名、猫ジステンパーとして知られている。
酸やアルカリ、摂氏50℃までの熱に耐性があり、6か月から2年は感染力を持ち続けるといわれている。予防法はワクチンの接種で、未接種の子猫が感染した場合、致死率はほぼ100%。成猫でもワクチンを打っていない場合は死に至る危険がある。
「人間を介しても感染するので、猫カフェをはしごして、知らないうちにウイルスの運び手になっている可能性もあります。ワクチンさえ打っていれば感染は防げるので、自宅で猫を飼っている方も、しっかりとやってあげてほしいです」(猫カフェ経営者)