ウェブ連載で小説家デビュー
だが、縁があって、ウェブに連載していた小説でデビューすることが決まり、47歳のとき、『木曜日にはココアを』を出版した。1杯のココアから始まる、心が温まる12色の物語だ。
その本を読んだ編集者から、「読んで気持ちがほっとする、こういう毒のない小説があってもいいと思う」と言われたことで、迷いがふっきれた。青山さんは、その言葉をお守りがわりにしながら、2作目となる『猫のお告げは樹の下で』を書きおろした。
失恋のショックから立ち直れない21歳のミハルをはじめ、中学生の娘と仲よくなりたい父親、なりたいものがわからない就職活動中の大学生、転校したクラスになじめない小学生、20年来の夢をあきらめるべきか迷う主婦……。
本書は、迷い、悩み、ときには打ちひしがれ、人生に立ち往生している7人の物語で構成される。
主人公たちはみな、小さな神社で、お尻に星のマークがついた猫・ミクジから葉っぱのお告げを受け取るのがお約束だ。
そして、お告げに導かれるように、ものの見方を変えた途端、世界がガラッと変わっていく。落ち込んでいた人も、立ち止まっていた人も、再び歩み始める。
「タイトルにも猫とありますが、猫の話を書こうとは思っていなかったんですよ。決めていたのは“葉っぱのメッセージがくる”というモチーフ。書きたいなと思って、ずっと温めていました。
でも、“猫がメッセージを運ぶ”ことに決まって書き始めたら、猫以外には考えられなくなりました。猫と樹ってすごく相性がいいんですね。背景としてうまくつながってくれたかなと思います」
青山さんの作品は、まるでショートフィルムを見ているかのように、色彩豊かに、ストーリーが目に浮かぶ。そして、登場人物たちが生き生きと動きだす。