日沢「(2)は、比較的、若いご夫婦に多いですかね。(2)のメリットは、夫婦間でも金銭プライバシーが守れるところです。デメリットは、自宅の光熱費などの共有費用について、どちらがいくら負担するかでケンカになったりします。
また、財布を完全に分けると、一緒に家計を考えるという意識が薄くなりがちです。
最後の(3)は、上記(1)と(2)の折衷案ですね。夫婦それぞれの稼ぎや口座残高のプライバシーは保ちつつ、一緒に生活費を負担することが可能です。
また、完全分離ではないため、共有財布を通じて夫婦の家計管理の意識も芽生えます。デメリットは、管理する側にとっては(1)と同じくらい手間がかかる点と、管理していない側にとっては変わらず不透明なものとなってしまう点です」
Mさん「なるほど。(2)はあまりうちにはむいてなさそうなので、(3)がよいかなと思います。でも、共有の財布の管理が大変そうで……。何より、どう作ったらよいのかわかりません」
日沢「そうですね。私も、Mさんには(3)が向いているかと思います。実は、クラウドシステムを上手く利用すれば(3)のデメリットを大きく解消できますよ」
クラウドシステムによる共有口座の管理法
Mさん「クラウドシステムって何ですか? 具体的に教えてください」
日沢「クラウドシステムとは、わかりやすくいうとインターネット上にデータを保存するサービスのことです。
その利用は幅広いのですが、今回はインターネット上に家計簿をつくるシステムを使用します。家計簿を自分の手書きノートやパソコン、スマートフォンに作るのではなく、インターネット上に作成します」
Mさん「なんか難しそうですね。インターネットにおいた家計簿に、通帳とかレシートを打ち込むということですか」
日沢「そんなイメージです。でも、銀行の入出金情報やクレジットカード情報を連動させれば、チェックするだけで家計簿が作成できます。
また、現金払いのものでも、レシートをスマホで撮影するだけで連動できるサービスもありますから、手書きなんかよりよほど楽ですよ」
Mさん「それはすごいですね。でも家計簿の話と財布の話が、どうつながるんですか?」