カレーラーメン!? 

「いつでもラーメンが食べられるという安心感がありますね。私は店主が腕組みをしている写真を使っているラーメン店が苦手です(笑)。威圧感を感じてしまうんです。今回はそういう店ははずして、気軽に入れる店を選びました

 本書では、しょうゆ、みそ、塩のほかに、さまざまな味のラーメンを紹介している。そのひとつが、カレーラーメンだ。

「調べてみると、街なかのラーメン店より駅ラーメンのほうが、カレーラーメンを出している店が多いんです。それも関西では、スープにカレーのルーを入れるのではなく、麺に直接カレールーをかける店が多くて驚きました。

 また、女性や高齢者が気軽に食べられるヘルシーラーメンも増えてきています。地場産の野菜を使うことで、ご当地ラーメンとして売り出している例もあります」 

 鈴木さんは大学生のときから駅そばを巡りはじめた。ホームページでその探訪記を発表し、2007年に『「駅そば」読本』でライターとしてデビューした。その後、駅そばを中心に道の駅、温泉、スーパーなどを訪れ、そのルポを書いてきた。

「“行ってみると面白いのに、なんでみんな行かないんだろう?”と思うところを取材しています。鉄道で各地を旅して、いろんなものを自分の目で見て、食べます。調べることは日常になっていて、いつも次に取り上げるネタを探している感じですね」

鈴木さんのベスト3

 客の目線で文章を書きたいので、店で話を聞くときも、いかにも取材という雰囲気を出さずに自然に店員の話を引き出すようにする。

「店を出てから、その場でメモ帳に書きとめます。いまは55冊目になっています。ポイントは味や店のレイアウトや店員の動き、衛生面などです。ときには辛口のコメントも書きますよ(笑)。

 このメモ帳があるおかげで、何年か後に行ったときに、その変化にも気づくことができるんです」