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 日本に押し寄せるキャッシュレス化の波。カード評論家の岩田昭男さんも、その流れをひしひしと感じているという。

東京の高田馬場エリアをよく利用しているのですが、この1年で、キャッシュレス決済ができる店と決済方法の種類がグッと増えました。

 喫茶店の『ルノアール』や定食屋の『大戸屋』など、中堅のチェーン店は、以前はクレジットカードのみで、電子マネーの導入を渋っていました。電子マネー決済を受け入れた場合、決済先に支払う手数料負担が3〜4%と重いですから」

 しかし昨年春ごろから、これらの店でも徐々に電子マネーが使えるようになったという。

「手数料は痛いけれど、東京五輪に向けてさらに増えるであろう外国人観光客を取り込んでいきたいということでしょう。高田馬場では、まだ小さな居酒屋や個人商店では現金しか受け付けていませんが、政府による消費税ポイント還元策などにより、今後は一気にキャッシュレス対応が進んでいくのでは。

 というのも、昨年11月に、安倍首相が中小の小売店でキャッシュレス決済をすれば、5%のポイント還元を行うという意向を示しました。増税分を上回る大盤振る舞いをして、国民や中小小売店にキャッシュレスを試してもらい、まずはその便利さを知ってもらう。それを起爆剤にして、すみずみまでキャッシュレス化を進めたいというのが狙いです」(岩田さん)

 そもそもキャッシュレスには、主に3つの種類があることを知っておこう。

●クレジットカード
キャッシュレスの先駆け的存在。決済時にクレカを提示すると、いったんカード会社が支払いを肩代わりし、後日、その代金が利用者の口座から引き落とされる(後払い方式)。支払い代金の0・5〜2%のポイントがつくものが多い。なお、クレカの発行には収入などに関する審査が必要。

リクルートカード

●電子マネー
鉄道などで使える交通系電子マネーや、イオンのWAON、セブン&アイのnanacoといった流通系電子マネーがあり、タッチひとつでスピーディーに決済できるのが魅力。

●スマホ決済(QRコード決済)
「おさいふケータイ」は電子マネーと同じ技術で、スマホをタッチして決済するタイプ。最近はPayPayなどに代表される、QRコードまたはバーコードを読み込んで決済するものが注目を集めている。

 なかでも電子マネーとスマホ決済は、種類が多く、どれを手にしていいか二の足を踏んでいる人も多いはず。そこで、利用法と活用術を詳しく紹介!