『世界はほしいモノにあふれてる』(NHK)は、特に女性におすすめの番組だという。
「トップバイヤーが世界を旅して雑貨やグルメを紹介する内容。ウインドーショッピングの楽しさを家でパジャマを着ながら味わえるんです。出演している三浦春馬さんとJUJUさんの出すぎないリアクションがよく、友達と一緒に買い物の成果を分かち合っているような気になれるんです」(たむらさん、以下同)
女性をメインターゲットにした番組はNHKが絶対王者だそう。その理由について、作る側であるからこそわかる裏事情が。
データ主義のNHK
「ここ数年のNHKは番組にかける思いが非常に強く、時間とお金をかけて視聴者の興味を精細に分析しています。民放の番組の多くは勝手な女性ターゲット像を作ってしまいがち。一方、NHKは民放のテレビ職員に比べて浮世離れしている人が多く、流行りものを知らない人も多いです。しかし、それを自覚しているため、データ主義が根づいているのだと思います。データの向こうに等身大の視聴者を見いだす努力があるNHKの女性向けの番組は、安心して見ることができます」
ちなみに、たむらさんが担当する番組の中でおすすめなのは『サラメシ』(NHK)。
「働く大人のお昼ごはんを取材した番組ですが、この番組を見ると日本を動かしているのは政治家や有名人ではなく、日々働いている私たちだということを実感できます」
前出の稲増教授は、今後もテレビはなくならないと話す。
「趣味や嗜好が多様化して、生活時間も変化したため、お茶の間でテレビを見るという構図が崩れてきたのです。それでもテレビはなくならないですし影響力もあります。ネットも結局、テレビのネタを切り取ったりしているので今後はメディア同士の連携が必要になっていくと思います」
低迷時代の中でも、おもしろい番組は生まれている。テレビも捨てたもんじゃない!