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枯れることのないバカの泉から湧き出るかのごとく、毎日毎日溢れ出すバカッターにバカスタグラムのバイト君たち。
え? 世の中って、こんなにバカが溢れてたっけ? こんなに連日ニュースでやっているのに、なんで? この子達の家にはテレビがないのかな? それとも、想像力がないのかな? おいおい日本、大丈夫か? と、思わず首を傾げてしまう日々ですね。
メディアでは賢い人たちによって「どうすればこのような行為は減るのか」という議論が繰り広げられていますが、賢い人はきっとこんなことをするわけないので、その心理もわからないんじゃないでしょうか。私もいろいろ考えましたよ。バイト採用者には、お店側から「万が一不適切な行為をして店に損害を負わせた場合、即裁判、きっちり損害賠償払ってもらうからな! ええな!」という内容の誓約書にサインしてもらってからシフト組む、とか、携帯スマホはロッカーに必ず入れて仕事場に一切持ち込めないようにする、とかね。
まあでも、そうしたところで結局、ああいう行為自体は絶対減りはしないんですよね。あれはもう、ただの若者の行き過ぎた「悪ノリ」ですから。もし今回、損害賠償を支払うことが現実となれば、SNSにあげるバカはさすがに減るかもしれませんが、こっそりとしょーもないことをやるバカは後を絶たないし、動画も撮り続けますよ。
だってこんなにテレビで連日やってて、今熱いんだもん。バカバケツリレーみたいなもんです。彼らにとっては、バカな行為も、SNSの炎上も、バイトをクビになるのも、青春の1ページくらいにしか考えていないですよ。そんな誰も得しない、しょーもない青春の1ページのために、企業が今まで必死になって積み上げてきた信頼を一瞬にして壊されてしまうなんて、たまったもんじゃないわ!
持ち前のサービス精神が大爆発
では、こんなことをしてしまう彼らは、ものすごくバカで悪い人間なんでしょうか? きっと普段はそこまでじゃないはず。もしかしたら、意外といい子が多いんじゃないかな。調子乗りではあるけど、友達が困っていたら助けてあげたり、妹や弟にも優しい、好き嫌いもなく何でもおいしそうに食べる、人付き合いを大事にする人気者なんじゃないかな? いや、だからと言ってあんなことやっていいってわけじゃないよ! やったことは完全にアウト! あかんもんはあかん!
ただ、「若さ」と「バカ」は常に背中合わせ。中には、場の空気にのまれて「お仲間ハイ」で「一時的バカ」になってしまっただけの子もいるはず。誰だって経験のある「お仲間ハイ」。なんだか仲間でワイワイしていたら、テンション上がっちゃって、突然、身体の奥底から湧き上がるあの変な無敵感。しかもスマホでカメラを向けられてしまったらもう、「なんかしないと! なんかおもしろいことしないと! お仲間たちのこの期待に応えたーい!」と、持ち前のサービス精神が大爆発。
やらんでいいのに、しょーもないことをして、しょーもない伝説を残してしまう。マリオでいうスター状態ですわ。あの時って、足はめちゃくちゃ速くなるけど、冷静に周りが見えてないから、アホみたいに「ワーッ!」て走り過ぎて、すぐ谷に落ちるでしょ。そして一瞬の静寂の後、「…テレッテテレレレ〜」いくら後悔しても、時すでに遅し。ゲームオーバーです。
「一時的バカ」は、本当のバカではないので、己のバカさにある時ふと気づいては消えていくでしょう。しかし、若者がいる限り、また新たな一時的バカは現れるのです。だから絶対数は減らないんですね。