結婚するお相手の希望年齢は、男女では大きく食い違います。男性は年を重ねるほどに若い女性との年の差婚を求め、女性は年を重ねるほどになるべく年の近い人、もしくは年下婚を望む人が多くなる傾向にあります。
婚活ライターをしながら、仲人としてもお見合い現場に携わる筆者が、目の当たりにした婚活事情を、様々なテーマ別に考えてゆく連載。今回は『年の差婚、年近婚、年下婚を望む心理と、それを可能にする方法』について考えます。
年収4000万円、初婚、54歳、子どもが欲しい
お見合い婚活を始めたばかりの方たちは、男性の場合はなるべく年齢が若い女性を、女性の場合は自分の年齢に近いか、もしくは年下の男性を希望します。
なぜそうなるのかといえば、“子どもを授かりたいから”です。
男性は、子どもが産める女性の年齢に幅をもたせたいので、できるだけ若い女性がよい。女性は、一家の稼ぎ頭になる父親はなるべく長い間働いてほしいので、やはり若い方がよい。
ここで、男女双方の希望する年齢のベクトルが、すれ違うのです。
こんな問い合わせがありました。
「54歳ですが、年収は4000万円ほどあります。初婚です。子どもが欲しいので、20代、30代の女性と結婚を希望していますが、お見合いできますか?」
お会いしてみると、54歳にはとても見えない若々しい開業医でした。秀雄さん(仮名)とおっしゃるその男性は、年収もあるし見た目も素敵。しかし、54歳という年齢なのです。
私は、秀雄さんにいいました。
「仲人をしている経験則から申し上げますと、20代、30代の女性たちの多くは、年収は飛び抜けて多くなくてもいいから、なるべく年齢の近い男性と結婚したいと考えているんですよ。もちろん中には、年収に魅力を感じる女性もいますが、それは少数派です。お見合いを組むのは、とても難しいのが現状ですよ」
秀雄さんのような高収入ではなくとも、一般的な年収の50代の男性が20代、30代の女性にお申し込みをかけてきたりすることがあります。また、年金生活をしている60代、70代の男性が、30代にお申し込みをかけてきたりすることもあるのです。
“親子ほど年の離れた相手には、お見合いの申し込みをしてはいけない”というルールはないですし、誰に申し込むのも、それは自由です。ならば“ダメ元で”と思うのでしょうか。“ダメ元”の結果は、当然“ダメ”で、そうしたお申し込みが受諾されて、お見合いが成立したことはありません。