菅田将暉演じる美術教師が、教え子の死をきっかけに29人の生徒を人質に教室に立てこもる学園ミステリー『3年A組ー今から皆さんは、人質ですー』(日本テレビ系・日曜夜10時30分~)が佳境を迎えている。真相をめぐって教師と生徒のむき出しの本音がぶつかりあうなかで、どんなクライマックスになるのか、プロデューサーを直撃!

“伝える作品”を制作。心に刺さる熱き言葉

 卒業まであと10日に迫った高校で、担任の美術教師が29人の生徒を人質に教室に立てこもり。自殺した女子生徒の死の真相について“最後の授業”を始めるという異色の学園ミステリーが、好調だ。

「若い世代の方が、テレビ以外にも(パソコンやスマホなど)いろんな視聴選択を持っているのに、本作のためリアルタイムで見ていて貴重な時間を使ってくれているのがうれしいですね。多感な時期の世代が見終わった後に、面白い、つまらないを含め感じたことをネットに投稿したり、知人と議論したりと、声に出してくれていることも制作者冥利に尽きます。僕らが伝えたいことを視聴者の方がキャッチしてくださっているので、コミュニケーションしている気がします

 と、福井雄太プロデューサー。

 主人公の柊一颯役を演じるのは、教師役初挑戦の菅田将暉。脚本は、『電車男』『家族ゲーム』などを手がけた武藤将吾のオリジナル作。福井Pは、6年前に初対面した菅田と意気投合、数時間語り合い、以来菅田との仕事を目標にしてきたという。

「菅田さん、武藤さんとは“伝える作品”を作ろうと話しました。人質というフィクションの設定ですが怖いとか、つらいとかで終わるのではなく、メッセージとして伝えたいことが詰まった作品を目指しました。

 撮影での菅田さんは芝居というより、ドキュメンタリーのよう。そこにいるのは本物の一颯で、伝えたいことを一生懸命、伝えるための出来事を見ている感じです」(福井P、以下同)

 1話ごとに“レッツ・シンク”と課題を出す一颯が終盤で“明日と闘え! 抗え! もがいてつかめ!”“生徒はものじゃない。人間だ! 俺たちが導いてやらなきゃならない。もろくて未完成な人間なんだよ!”などと熱く語る言葉は、若い世代でなくても心に刺さってくる。

シンプルでストレートに描くことにこだわりました。恋愛ドラマなら好きという言葉を、違う言葉や別のシチュエーションに置き換えるのではなく、ストレートに“好きです”と伝えるのが美しいし、伝わりますね。本作の武藤脚本はまさにそれ。大事件が起きているなかで、言葉は本当にストレートです