平成に始まり平成に終わった懐かしい名珍番組
平成初期を代表するバラエティーといえば『邦ちゃんのやまだかつてないテレビ』。山田邦子が通称“やまかつWink”としてCDデビューし話題に。若手芸人の登竜門となったのが『ボキャブラ天国』。爆笑問題やネプチューンなど、第一線で活躍する芸人を多数輩出した。『ウッチャンナンチャンのウリナリ!!』はコント中心から、レギュラー陣の挑戦企画がメインに変化。「芸能人社交ダンス部」などの企画が人気だった。
深夜では、教養色豊かなものからお色気まで、意欲的な番組がズラリ。'90年(平成2年)スタートの『カノッサの屈辱』は、俳優・仲谷昇が日本の消費文化を歴史上の出来事になぞらえて紹介。サブカル色の強いマニアックな題材をテーマにしたクイズ番組『カルトQ』も、まさにカルト的な人気に。アダルト女優が多数出演した『ギルガメッシュないと』は細川ふみえ、飯島愛をブレイクにつなげた。
テレビが個性豊かだった時代は、再び訪れるのか?
技術革新により番組づくりに大きな変化が
昭和までは、スタジオでつくる番組が圧倒的に多かったが、ビデオカメラなどの機材が小型化したことで一変。平成に入ると機動力を生かした番組が数多く誕生した。
「機材の小型化と低価格化は、テレビ界にとっても大きな出来事でした。バラエティー番組でロケが増え、同時に何台もカメラを回すようになります。撮影を途切れさせない長回しが当たり前になり、“捨てカット”の中から意外なシーンを挿入する機会も次第に増えていきました」(大場さん)
この特徴は、現在のタレントが観光地を散策する街ブラ番組や、『あいのり』などの観察バラエティーへと発展した。複数のカメラを同時に回し、日常のひとコマを切り取ることで、視聴者に共感を与え、釘づけにしていったのだ。