大阪弁を猛特訓。撮影は関東近郊で

 舞台は大阪。キャストはほぼ関東出身者のため、大阪弁を猛特訓。井ノ原は、方言監修者が吹き込んだ大阪弁のセリフの録音を聴き続けて臨んだ。

 制作スタッフは監督、カメラマンら関西出身が多いので、演じている途中でもイントネーションの違いなどチェックが入り、関西人が聞いても違和感はなく、クランクアップでは、井ノ原が方言監修者と抱き合う光景に「気持ちが伝わるようでした」と河西P。

「撮影場所は、昭和の名残が残っている栃木県や茨城県で、重三郎の家は千葉県木更津です。CG合成を駆使して昭和初期のリアル感は出ていると思います」

 2時間ドラマは、2週間程度で撮影されることが多いが、本作はその倍以上の期間を使って撮影された。撮影終了後は、編集作業に約2か月をかけて、130カットのCG加工などを丁寧に行い、見どころのひとつに仕上がった。

 家族をテーマにしたドラマに『僕が笑うと』というタイトルには、こんないきさつが。

「養子に迎えた子どもとどう接していいのかわからずに、まじめ一辺倒の顔をしていた重三郎が、ある日、自分が笑ったら、子どもが笑ったときの“僕が笑うと、子どもも笑う”というセリフからとりました。

 さらに、戦争が激しくなり、鈴木家にもその影を落としていきますが、苦しい中でも、笑顔でいれば乗り切れるという意味も込めました。

 そして、主演の井ノ原さんは笑顔が最高です。視聴者全員を温かくしてくれる笑う姿にも注目していただければと思います

子役5人は1か月の特訓で大阪弁をマスター!

 オーディションで約100名の中から選ばれた子役5人は全員、標準語。そのため撮影に入る1か月前から大阪弁のセリフを猛練習した。

「方言指導がついて、こてこての大阪弁にならないように、自然なイントネーションを大切にしています。みんな頑張って、自分のセリフ以外も覚えてしまい、井ノ原さんがつまると“こうだから”ってアドバイスしてました(笑)」(河西P)