「3か月先まで収録が終わっているスケジュールで進んでいるんです」(スポーツ紙記者)
NHK大河ドラマ『いだてん』への影響が注目されている、俳優でミュージシャンのピエール瀧(51)容疑者の“コカイン逮捕”。
「やっと公開にこぎつけられるあの映画に、こんな試練が待っていたとは……」と映画関係者ががっかり肩を落とす作品がある。
4月5日に公開が予定されている俳優の斎藤工(37)主演の映画『麻雀放浪記2020』だ。同容疑者が「元五輪組織委員会・会長」役で出演しているため、
「通常の判断では公開延期が妥当。つい先日、俳優の新井浩文が強制性交で逮捕・起訴された際も、出演映画の公開が見送られましたからね」(前出・映画関係者)
せっかくの作戦も台なし
メガホンを取ったのは、今年度の映画賞を席けんした映画『孤狼の血』を撮った白石和彌監督(44)だ。
「その監督が以前、“本当にいろいろ大変です”と公開中止もあり得るというニュアンスで『麻雀放浪記2020』のことを嘆いていたことがあるんです」
と中堅映画ジャーナリストが伝える。
白石監督が嘆いたのは、1月に開催された国会議員試写会後の“圧”だったという。
「“頭脳スポーツとしての健全で安全な麻雀を推進する議員連盟”、いわゆる“スポーツ麻雀議連”が主催し、衆議院議員会館で開催されました。
ところが、映画の中で東京オリンピックの中止が描かれていたことで、会場にいた約20人の国会議員のなかにはカンカンになる人もいたよう。このまま公開していいのかというプレッシャーを、製作陣にかけたようです」
問題をこじれさせないよう、配給元の東映は、ひとつの戦略に打って出た。それは、通常は宣伝のために大々的に行うマスコミ試写会をすべて中止してしまうという“ステルス戦略”だ。
「とにかくおとなしくして、公開にこぎつけようという狙い。メディアに配られた“試写状”には『諸事情により、この映画は、試写は行いません。』と書かれていました。
公開まで1か月を切って、国会議員からのありがたいご意見も薄れてきたところで、今回のピエールさんの逮捕ですからね。つくづく、ツイていない映画だと思います」(映画サイト記者)
ちなみに新井浩文被告は映画『アウトレイジ ビヨンド』(2012年10月公開)に、同容疑者は映画『アウトレイジ 最終章』(2017年10月公開)に出演している。ともに北野武監督作品だ。
同じシリーズ映画から、こんな短期間に2人の逮捕者を出すとは……。
<取材・文/薮入うらら>