藍里は応援してもらえる要素を「持っていた」
HKT48・指原莉乃は恋愛禁止のルールを破り、元ファンの男性と交際していたことを2012年に『週刊文春』(文藝春秋)で報じられますが、あえてそれをネタにすることで、AKB48の選抜総選挙で史上初の3連覇(通算4回目)を達成します。
2018年に開催された『AKB48 53rdシングル 世界選抜総選挙』で2位に輝いたSKE48の須田亜香里は『コンプレックス力 ~なぜ、逆境から這い上がれたのか?〜』(産経新聞出版)を出版するなど、自分に向き合い、コンプレックスを克服してきたことを隠しません。
順調に人気を得た芸能人より、不屈の精神で這い上がってきたアイドルが人気を得る時代と考えた場合、有村藍里は「持っていた」と言えると思うのです。
同じ世界で仕事をしていながら、朝ドラという国民的な番組に妹が出演している。その妹と比べられている気がして、自分に自信が持てないという悩みに、多くの若い女性は感情移入するのではないでしょうか。比較される対象、つまり有村架純に抜群の知名度があるのも幸いしています。これが「ときどき、テレビで見かけるタレント」程度では、視聴者は共感しにくいと思うのです。
また、にぎやかにふるまうのが多いバラエティーの世界で、藍里のように暗い人というのは意外に存在感がありますし、いじりやすいという長所があります。本人は無自覚だったのかもしれませんが、今の時代だからこそ、応援してもらえる要素を整形前の彼女は多く持っていたと言えるのです。
番組では、最後に藍里が舞台に挑戦することを明かしていました。整形をして、明るくなって未来への可能性がどんどん開かれていくというハッピーエンドは視聴者にとって好ましいものでしょう。が、番組は終わっても、彼女は“生きて~く生きていく~”のです。
女優業にシフトするなら、ますます「有村架純の姉」と言われるようになりますが、その覚悟はあるのでしょうか。
女優という世界の序列で言えば、朝ドラというスターの登竜門的な番組でヒロインを演じた架純は、藍里より上です。もちろん将来的にはどうかわかりませんが、今のところ藍里は女優としての実績はありません。「有村架純の姉」と言われて誹謗中傷されて、メンタルがヤバいことになり、大きな手術まで受けた。しかし、きれいになって女優進出をしたことで、ますます「有村架純はすごい」と思わされることに、彼女は耐えられるのでしょうか。もしかしたら、整形前よりも精神的に追い詰められるのではないでしょうか。