「おぼっちゃまくんを連載していた当時は忙しすぎて、客観性を失っていました。今、それらを解決しなきゃと思っています」
今後はさらに、社会で問題になっていることを果敢に取り上げ、小林流社会論を新おぼっちゃまくんで展開していく予定。
「ギャグマンガだからできることだと思います。ギャグマンガって、そもそも風刺作品なんですから。ブラックなところを笑いに変える力があるんです」
小林さんは真のギャグマンガを後世に伝えたいと意欲を燃やしている。
「ギャグマンガは、バイタリティーにあふれていなければなりません。生きる力が湧いてくるのがギャグマンガなのです」
皮肉と業が交じり合った人間の社会。それを率直に表現できるのはギャグマンガだからこそ。
「社会はそういうふうにできているのです。純粋で美しい世界なんて、どこにもありません。その中で生き抜いていくには、エネルギーが必要。ゲラゲラ笑って、ホロリと泣いて、この厳しい世の中を渡っていきましょうよ!」
ライターは見た!著者の素顔
社会派のイメージが強く、怖い先生かと思いきや、優しくてダンディー☆ 素敵なナイスミドルでした。おぼっちゃまくんのファンは年齢層が幅広く、アラフィフ記者もマンガとアニメで大笑いしていました。本作では、おぼっちゃまくんと貧ぼっちゃまの壮大なる(?)「ともだちんこ」シーンがあり、思わず泣けてしまいました。今後はこの2人の秘密も解き明かされるということで、ますます楽しみ、ワクワクです~♪
PROFILE
こばやし・よしのり●デビュー作『東大一直線』(週刊少年ジャンプ)が大ヒット。1986年、「月刊コロコロコミック」(小学館)にて連載された『おぼっちゃまくん』が大ブームに。1989年にはアニメ化もされ、第34回小学館漫画賞を受賞。主人公がしゃべる「茶魔語」が子どもたちの間で流行語となり社会現象となる。