昨年もミュージカル『5DAYS 辺境のロミオとジュリエット』と舞台『命売ります』で主演を務めるなど、活躍の場を広げている東啓介さん。次はキャスト2人だけのミュージカル『Color of Life』に挑戦する。
今作は数多くのヒットミュージカルを手がける演出家・石丸さち子の脚本・作詞・演出で、オフ・オフ・ブロードウェイ演劇祭で最優秀ミュージカル作品賞を含む4部門を受賞した人気作。それぞれに喪失感を抱えた画家の和也(東啓介)と女優のレイチェル(青野紗穂)が飛行機で偶然隣り合わせになったことから、惹かれ合い人生の喜びを取り戻していく姿を繊細に描いた温かい物語。
実際に好きになって対話したいと思う
「台本を読んで、人が出会うことによってこんなに変われるなんてすごいなと思いました。誰かと出会うことで、自分の見失ったものが見つかるってことはすごく素敵だなって思って。しかも人を好きになっていったり、どんどんプラスのものが積み重なっていく感じがとてもいいんです。知らない人と出会うって不安もあるしけっこう怖いじゃないですか。でも、この2人はプラスのほうを見ていくから、いいなって思いますね」
東さんが演じるのは、大震災を機に画題を見失ってしまった画家。絵を描くこと以外に世界とつながる方法のなかった不器用で純粋な男が、二重国籍で同性愛者の女性と出会い人生が変化していく。
「和也は30歳なんですけど、かわいいな~って思いました(笑)。すぐにレイチェルを好きになるところとか、すごくピュアだなと。だからこそレイチェルのことを実際に好きになって、本当の気持ちで対話したいというのはすごく思ってます。和也とレイチェルとして、青野さんがかけてくれる言葉に対して純粋に答えられるようにしたいです」
初共演の2人の新鮮な出会いも楽しみだ。今作で伝えたいメッセージは?
「見終わった後に、誰かと出会いたくなる作品にしたいですね。まず出会おうっていう気持ちだけで、たぶんもう新しい自分だと思うんですよね。人じゃなくても、例えば今まで避けてきたもの遠ざけてきたものと向き合おうとかでもいいと思うので。何か感じていただけたらなと思います」
東さん自身にとっての大きな出会いをたずねると、2人の俳優の名前が挙がった。
「数えきれないですけど、加藤和樹さんと柳下大さんとの出会いはとても大きいです。和樹くんはミュージカル『マタ・ハリ』で共演させてもらって、ものすごく優しくて何でも教えてくれて。大先輩なのに本当に親身になってくれて、こんな仏のような人っているんだなって(笑)。ミュージカルの世界のこともいろいろ学ばせていただいたし、地方公演のときもずっと一緒にいました。公演が終わってからも“家にラーメン食べにおいで”って誘ってくれたり、仲よくしていただいています。
事務所の先輩でもある大くんは、本当に兄弟みたいな感じなんですよね。心から気を許せるし仕事もプライベートも何でも相談できちゃう。家族のような接し方をしてくれるので、落ち込んだり行き詰まったときに、すぐ頼りたくなる人ですね」