「個人的に養子にしたことを、みんなに知らせる必要はない。そういうことです!」
記者の目前で、養子縁組を口外していたYを仲代は叱りつけながら、さらに言う。
「奈緒も血のつながりはない。妹の子だからね。妻が亡くなってからずっとマネージャーとして10年やってきたから、養子としたわけです。男女関係みたいなことを書いたら訴えますよ!」
と、こちらが聞いてもいない男女関係についてはキッパリ否定した。
再び、Yも話す。
「養子になったのは、地方の病院へ行くときに身内のほうが便利だとか、身辺の整理も家族でないとできないことがありますよね。そういったことがいろいろ重なって……」
仲代は「アンタがそんなことを他人にしゃべらなければよかったんだ! アンタの友達の誰が漏らしているのか、徹底的に調べてやる」
そう言い残して、自宅の中へ入っていった。残ったYに仲代の養子になった理由を再度、確認する。
「奈緒さんは今、大阪に住んでいるから、距離的にいろいろなことができないんです。奈緒さんが結婚する予定があるだとか、どう思っているだとかは、私は知りません」
そうはいっても法的には養子同士の姉妹になり、仲代の財産を相続することになる。
「それについては仲代が整理しています。この建物をどうするかだとか」
家族にならないと仲代を守れない!?
Yは仲代による遺書の存在も認めた。遺産整理のための養子縁組ということらしい。
しかし、相続権利については「まったく考えていません」と否定する。最後にYが言う“仲代を守る”という意味について、もう1度聞いた。