1年半ほど前から「熊本」へ

 多忙を極めた当時、何がいちばんつらかったかを聞くと、

Do As Infinity 伴都美子 撮影/伊藤和幸
Do As Infinity 伴都美子 撮影/伊藤和幸
【写真】変わらぬ美しさの伴都美子

「何も知らない自分自身が悔しかった。バンドを組んだ経験も、人前で歌ったこともない。MCって何? から始まって。曲順を決めるのもほとんどギターの(大渡)亮くん。迷惑をかけているんだなと思いました。

 睡眠時間がなくて体力的にというよりも、今どこにいて、どういう状態だっけ? と精神的に必死でした。つらいと思う余裕さえなかったです

 走り続けてきたDo As Infinityのヒット曲の中から珠玉のナンバーを厳選して収録したリアレンジアルバム『Lounge』が6月5日に発売される。

「“Lounge”は、別空間を提供できたらと考えてのタイトルです。もともとの楽曲のもつ特徴を残しながらピアノやベースサウンドでアレンジした曲を聴きながら、リラックスして楽しんでもらえたらうれしいです」

 彼らの代表曲『深い森』や『陽のあたる坂道』。伴が作詞、大渡が作曲を担当した『小さなヒーロー』などが収録されている。『小さなヒーロー』に登場する“冒険者”のモデルは、伴の4歳と3歳になるふたりの息子。

「彼らにとっては経験するものすべてが冒険。初めてのこと、知りたいことがまだまだたくさんあります。“それ危ないよ”とか、つい先回りして手を貸してしまいがちなんですが、そうではなく見守ることも大事かと思って。でも、見守るって難しいですよね。つい“こぼすよ!”とか“そこあぶない!!”とかって言ってしまうこともあります(笑)」

 すっかりお母さんの顔に。1年半ほど前から、生活の拠点を東京から熊本に移したそう。

「しばらく東京で子育てをしていたんですが“子どもを広い公園に連れていきたいけど、どこにあるんだろう”“野菜は、どこが安いんだろう”とか、いろいろと模索しながら生活している中で、すごく自分の視野が狭くなっていることに気づいたんです。

 私自身、熊本の大自然の中で育った経験も大きいし、サポートしてくれる家族もいるので、精神的にも違います」